[ヨーロッパスタジオ]>[藤村D、町内会ディスコ、どうでしょう?]
藤村忠寿
北海道テレビ放送(HTB)が制作するバラエティ番組「水曜どうでしょう」のチーフディレクター。 番組の企画や演出だけでなく、ナレーションや編集、出演など何役もこなしている。 ヨーロッパ企画が主催する映画祭、第5回SSMFのゲスト監督として参加していただいた。
上田 誠
ヨーロッパ企画の代表であり、全公演の作・演出を担当。外部での脚本・演出やテレビ、ラジオ番組の構成なども手がける。「町内会ディスコ」では、企画・構成・演出・編集など全てに関わっている。
<オープニング>
まずこれを言いたいよね
上 田
すでに1度、藤村さんにはDVDで見ていただいているのですが、まず、率直に・・・いかがでしたか?
藤 村
うん・・・アラが多いよね。
上 田
(笑)! まだやはり、そこは。
藤 村
まず、これでね。バラバラだよね。
上 田
あっ、バラバラ。もう、スタジオの(メンバーの)並びがですか?
藤 村
並びが、っていうか、服装がバラバラだよね
上 田
ああ、はい!
藤 村
俺ね、真ん中にいる、あの諏訪くん。彼の服装って、非常に違和感があるよね。
上 田
ああー、なるほど。
藤 村
「お前は室内でこんなものを着て」ってね。まあ、彼の一張羅なんでしょうけどね。一番自分に似合うと思うものをセレクションして、着たんでしょうけどね。
上 田
(笑)!!
藤 村
それで・・・(画面を見ながら)あっ、そうか、まずこれを言いたいよね。石田くんがアップになってこう、「地域密着・・・」って言ってるわけじゃん。
上 田
もう、番組の、いちばん最初の・・・。
藤 村
この時点で、華がない(笑)。
上 田
いやいや、それは、しょうがないでしょう!
藤 村
なぜ石田くんに言わせたのか、ていう疑問も、僕はあるわけよ。ただ「じゃあ石田くん以外の誰が言うんだ」っていうと、それもまた困るんだけど。
上 田
そうなんですよね。
藤 村
確かに困るんだけど。石田くんの、その青ヒゲのね。青いヒゲがちょっと・・・。
上 田
貧相な感じ。
藤 村
うん、貧相な感じが映った瞬間・・・「あ、貧相だな」っていう。番組が。
上 田
まあー・・・いやもう、くそ貧乏ったれですからねぇ。
<イエゴラスイッチ>
企画として、非常に面白い
藤 村
これね、「イエゴラスイッチ」は、企画として、非常に面白いですね。
上 田
ああ、企画として。ほんとですか。
藤 村
それ(イエゴラスイッチと書かれた小旗)を立てるっていうね、「それまで言っちゃう?」みたいな。音楽がね、「それまでやっちゃう?」っていうあそこらへんのセリフのまわしかたが非常にいいです。
上 田
いいですか(笑)。
藤 村
みんなハッキリは言わないんだけど。それでまた、このセレクションとして、酒井くんを選んだのががいいねぇ。彼の家は、何? 西陣織の?
上 田
そうなんです。ちょっとこう、京都で織物やってるとなると、ちょっとねぇ。
藤 村
ランク的には。生活レベル的には、若干・・・。
上 田
わりと高めだぞっていう。
藤 村
それであと、女性の一人暮らしのところと、男のムサい部屋と。
上 田
そうですね。西村さんと、諏訪さんの部屋を。
藤 村
酒井くんのところは、モノは豊富にあるわけですよね? で、広い空間が使えるという。この、中途半端なボンボンっぷりっていうのが。
上 田
(笑)! リアリティがあるでしょ?
藤 村
ありますね。
上 田
3人とも、カラーが違うっていう。それぞれ、そのへんの感じも分かってるっていう。
藤 村
だから、ヨーロッパが作るものっていうのは、初めて見た人よりも、何回か見て、とか芝居を見て、とかヨーロッパ企画っていうものを知ってる人が、やっぱ楽しめるっていうところに、逆に特化してしまったほうが、非常にいいと思うんだよね。
上 田
ええ、ええ。もう、これに関しては、そういうことですもんね。人数もたくさん出てて。
藤 村
(酒井版イエゴラスイッチを見つつ)酒井くんの手が出てくるのは、正しいと思う。
上 田
そうですよね。
藤 村
今、手で思い切りやってるもんね(笑)! いいんです、いいんです。いいですね。
上 田
それで、わりとこれ、本気で落ち込んでるっていうところも。
藤 村
そうですね。これは面白かったですよ。
上 田
スタジオでも落ち込んでるでしょ、ちょっと。これ、決してここで「おいしい」とか思わないのが、酒井くんで。
藤 村
そうだねー。ほんとにキレイに作りたかったんだね、彼はね。それが大きな間違いだよね。この企画自体は失敗することが、あるていど前提としてあるわけでしょ?
上 田
そうです、そうです。
藤 村
成功したら成功したで、いいけど。失敗したときにどういう言い訳をするか、とかね。それが大事になってくるところですからねぇ。
上 田
なぜか、そうなんですよ。「成功して、かっこいいところを見せたい、酒井くん」という。
藤 村
浅いんだよね、そのへんがね。
上 田
(笑)!
藤 村
浅いからこそ、面白いんですよ。
<小学生の赤い糸相関図>
フリップ1枚で済んじゃうっていう
藤 村
このね、次の企画はたいして、面白くない。
上 田
お、そうですか?
藤 村
俺は、そんなに。
上 田
石田、イチ押しの。
藤 村
あのねぇ。全体を通して言ってしまうと、「情報を人に与える」という括りのものと、イエゴラは別に、情報でも何でもないじゃないですか。
上 田
ただ単に、ハプニングを楽しむ。
藤 村
情報っていうのはねぇ。非常にねぇ、難しいというか・・・面白くなる要素が少ないんですよ。
上 田
ああー、なるほどなるほど。その、こと笑いという。
藤 村
情報ってセンセーショナルなことがあって、みんなが知らないことがあって、ポンとやるといいんだけど。これの場合、見えかたとしては「子供たちの、僕らにはまったく知らないこと」を子供たちは真剣に言ってて、それを「大人たちが楽しむ」という。でもまあ、括りとしては情報なわけですよ。で、情報となると・・・、非常に難しいっていうか・・・。
上 田
そうなんですよね。要は・・・なんて言うんですかねぇ、フリップ1枚で済んじゃうっていう。
藤 村
済んじゃう、済んじゃう。
上 田
あとこれ、まあ一番ちょっと、良くなかった理由としては、石田くんがタジタジやったっていう。
藤 村
そうそう! ガキらには遠慮しちゃいけないから(笑)。
上 田
はあー、なるほど。もうこれ、40分くらい延々やってたんですよね。で、ずっと石田くんが小学生に対して、目がペケになる、みたいな。
藤 村
そうね。これたぶん、ああいう小学生にインタビューしてて、いろんな細かい話を聞いてるときには、聞き手がわの態度の面白さとか。なんか言ってきたら「うるさいオマエ! 黙れ!」とかってガキに怒るくらいのワンシーンでもあると、締まってくるんだけど。ただ、聞くだけでは・・・。
上 田
はあー。
藤 村
これがねぇ。ヨーロッパの場合はいい人が多いから、ガキに対してなかなかそこまで言えない。
上 田
あー、確かにそうですね。
藤 村
うちの場合、たとえば大泉とかだと、たぶんガキの何人かに「おまえ向こう行ってろ!」とかっつって怒るし(笑)。
上 田
なるほど、けっこうじゃあこの番組全体、石田くんがだいぶ・・・今のところ・・・。点数的には・・・落としてるな、と。
藤 村
(笑)! いやまあ、石田くんというか・・・いや、「石田くんのほかに、誰がいる?」ということになると、これまた、ねぇ。
上 田
(笑)! そうです、確かに。