[ヨーロッパスタジオ]>[本多、すべてのバーで]


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    (メニューを見つつ、お酒の到着を待つ2人)

辻村:缶詰がいっぱいあるんですね。
本多:ホンマですね。ほぼ、缶詰のページがありますね。
辻村:へぇー。

    (お酒、到着)

本多:じゃあじゃあ、2杯目。
辻村:はいー。
本多:どうもー。

    (乾杯)

本多:おなか減ってないですか?
辻村:腹はそんなに……。減ってないんじゃないですか?
本多:僕は、普通の感じです。
辻村:(メニューを見つつ)「ソーセージの缶詰」ってあるんですか?
本多:じゃあコレ頼みましょか。「ウインナーソーセージ缶」。
辻村:食ったことないっすね。
本多:食ったことないっす、食ったことないっす。他のは、なんか見たことありますもんね。なんとなく。(店員さんに)すいません、ウインナーソーセージ缶。
店員:あたためますか?
本多:え?
店員:缶詰、あたためてお出しすることができるんですけど。
本多:あっ、じゃあどうしますか?
辻村:あ、じゃあ、あっためてください。
本多:ありがとうございまーす。
辻村:「どうしますか?」って(笑)。
本多:いいじゃないですか。むっちゃ笑ってたでしょ、今。



本多:そうそう、(キセルさんのライブを初めて観たのが)吉田寮ライブやったんですね。それが確か、僕が大学2回生くらいのときなんで、9年くらい前。98年か、9年くらい。
辻村:そうっすね。たぶん98年……。あっ、ちがう。キセルっすよね?
本多:はい。
辻村:じゃあ99年か、2000年っすよ。
本多:あっ、そうですか! え、それって、そのあと東京出てきたんですか?
辻村:うん。99年結成して、2001年に。あっちがう2000年や、2000年の冬くらいに。
本多:もう、すぐ東京? ほー。それ、なんか当時のね、京都っていろんなバンドいたじゃないっすか。吉田寮ライブもすごい盛り上がってて。
辻村:はい。
本多:ああいうのって……。今ってべつに京都って、そこまで……。まあ吉田寮ライブが、ないだけなんですかね? あんのかな、ああいうの。
辻村:あっ、ああいうライブ? もうあんま、ないんちゃう? 
本多:むっちゃ、カルチャーショックやったんですよ。観に行ったら、なんかチェルシーさんとか、キセルさんもそうやし。色んな、多種多様な人らが来て、ひと晩中やってるじゃないですか、あれ。
辻村:うん。あ、24時間のときに来たってこと?
本多:たぶん24時間のときやと思う。で、ウワーとかなったり。ウワーっと思って……。なんか……いろんな……。
辻村:けっこう、酔っ払ってきてる(笑)?
本多:ちょっと(笑)、ハイ。
辻村:でも、東京、そういうライブ、ほんまになくて。キセルって、ああいう音楽じゃないですか。ゆるいし、うるさくないじゃないですか。
本多:はい。
辻村:でも、京都いたときとかは、対バンがもう、ロックバンドとか、ジャンルが……。「ジャカランタン」とか知ってます?
本多:あ、名前だけは。
辻村:ジャカがやってるイベントとかに、出たりとか。誰かが企画してやるやつとかも、ほんまに、色んなバンドが出る、っていうかそういう。
本多:それは、企画したひとが、だいたい誘う感じなんですか?
辻村:うん。そうなんですけど。ジャンルとかであんまり「括り」がないっていうか。でもなんか、なんとなくこう、バンドやってるほうも親近感が持てるし、見てるひとも楽しいんやろなって。いろいろ。ロック好きなひとは、ロックだけ好きなわけじゃ、ないじゃないですか?
本多:はいはい。
辻村:そうなんですけど、東京出てからは、なんかそういう「弾き語りのバンド」とか「ポップなバンド」とかと、対バンみたいなことが、増えて。なんかこう、逆にそういうバンドは、あんま接点がないような感じがすんねんけど、増えて。対バンで、好きなバンドもいたんですけど、「ジャンルでパッケージ」みたいなのは……あんま、面白くないなぁとか。
本多:ああー。
辻村:吉田寮のライブみたいなんが、一番……。
本多:楽しいですか?
辻村:楽しかったですね。




本多:ああいうときって、他のバンドの演奏とか、聴いてるんですか?
辻村:うん、見たいやつは、見る。でも、最近そういうのは増えたですけどね。その、ふたりになってから。適当に、呼ばれたらどこでもヒョイヒョイ行けるから。そういう、ヘンなイベントとかに出るのとか、増えたですけどね。
本多:ふたりで、やり始めたキッカケって……? タケフミさんが誘って、辻村家の食堂で結成、ていう。
辻村:居間ね。
本多:あ、居間で。結成、ていう。誘わはったんですか?
辻村:誘ったっす。
本多:でもこれ僕ね、インタビューの記事読んでて……(注文していた料理が来る)あっ、すいません。
店員:ソーセージ缶です。(店員さん、去る)
本多:どうなってるんやろ。あっ、水入ってる?
辻村:入ってないですね。
本多:立ってる感じですね。

    (しばし、ソーセージを黙々と食べる二人)

辻村:……(笑)どうっすか?
本多:おいし……変わった。
辻村:うま味が、逃げ……。
本多:(笑)でも、何個でも食べれそうですよね。
辻村:食べれそうですよね。コンビーフに似てる。






本多:なんか、でも弟に劣等感があったっていう。
辻村:あ、あったすね。めっちゃ。
本多:なんでなんですか? 
辻村:モテてたんですよね、高校のとき。
本多:モテなかったんですか? お兄さんは。
辻村:僕もう、全然っすよ。
本多:まじっすか。
辻村:まじっすかって。
本多:思わず「まじっすか」って言っちゃいましたけど。でも、バンドとかは?
辻村:バンド、やってたっすよ。高校のとき。
本多:バンドやってたら、モテるでしょう?
辻村:モテないっすよ。……メタルバンドやってたんですけど。
本多:メタルバンドやってたんすか!
辻村:やってたんですけど、文化祭に……。ウチの高校、なんか審査みたいなんがあって。
本多:え、出るのに、ですか?
辻村:うん。で、先生が審査するんですけど。その審査で落ちた、とかね……文化祭にも、出れない(笑)。
本多:じゃあ、やっぱモテる弟さんには、劣等感を。
辻村:そうっすね。「モテる」っていうのとか、運動神経もよかったですからね。バスケ部やったんですけど、俺。で、弟が5年後とか……中学のとき弟が入って。俺ずっと補欠だったんですけど、あいつ、キャプテンに……。
本多:(笑)でも、なんで弟さんを誘ったんですか? バンドに。
辻村:やーでも、そんでまた弟が音楽をやり出してて、なんかヤな感じがしたんですよ(笑)。
本多:ああー、バスケットの記憶がー。
辻村:そう。ヤやなーみたいな。で、ちょうどその、自分はバンド解散したとこで。弟はちょうどやり出してて。もう、「一緒にやったほうが、お互いいいんちゃうかな?」って、思って。
本多:でも、もしかこう、弟さんにまた、同じバンドやって、いかれるっていう。
辻村:そう。でも、その勢いを。いくんやったら、一緒にやってれば、一緒にいくかなって。
本多:なるほど(笑)。
辻村:まあでも今、一緒にやってみると「ひとりでやってても、いかへんかったやろな」っていう。






本多:どうなんですか? その、兄弟でやるって……。僕ね、友達とケンカして、もう1年くらい喋らなくなったことがあるんですよね、中学とか高校とかで。
辻村:そのあとは、喋りました?
本多:また、キッカケがあって喋るようになったんですけど。でも、「家族」って、どんだけケンカしても次の日朝起きたら……。
辻村:そっすね。それは、ある。ほんまに、もう、むっちゃケンカしても、まあ今一緒にバンドやってるからっていうのもあるんですけど、2日が最長くらいっすね。その、「雰囲気がおかしい」みたいなのは。だいたい、ちょっとくらいのアレやったら、1日寝たら。
本多:直ります? 「どっちから謝る」とかでもなく?
辻村:「謝る」とかは、ほんまにないですねぇ。
本多:へぇ。でも、けっこうね、ライブ……ライブは、そんなことないのかな、お二人、一緒にいてたら、ハタから見てたらケンカみたいな、言いあいみたいな、なるじゃないですか。あれ、ケンカじゃないんですか?
辻村:ケンカじゃないです。でも、そんなもんじゃないですか? 分かんないですけどね。仲いいんやと思います、たぶん。
本多:ふん、ふん。
辻村:仲は、いいほうやと思います。兄弟でも、仲悪いとこあるじゃないですか? ケンカみたいになるのは、性格がわりと違うっていうか。
本多:あ、違いますよね。
辻村:だから、っていうのはありますね。お互いたぶん不満はあるんですけど、まあそれを解決しようがないというか。言うのは言うけど。
本多:そっか、でも他人やったらもしかしたら、こう、別れてた可能性も?
辻村:そうっすねぇ。他人やったら、そうやと思いますよ、たぶん。「他人やったら」っていうか、もともとが兄弟やから……。なんていうか、「声が似てる」とかもあるし。メンバーが変わるとして、もともと他人の人やったら、メンバー変わっても……まあそれはそれで、バンドの感じは絶対変わるけど、兄弟の場合はもっと、「もう兄弟じゃないんや」みたいな。ていうか、「兄弟がウリ」みたいなとこ、あるじゃないですか(笑)。
本多:(笑)。
辻村:突きつめると、まあ「兄弟」っていうとこぐらいしか、「個性」が。そこぐらいちゃうかなって。
本多:「キセルの個性」ですか? ええー。なんか……。キセルを僕、聴くとなんか、ファーってなるっていうか。ファーってなるっていう言いかたアレやな……。
辻村:(自分の、カラになったグラスを手に)これ、次いいっすか(笑)?
本多:あ、次3杯目頼みますか?
辻村:(店員さんに)すみません。トリスをロックで。
本多:じゃあ、僕、トリスハイボールで。