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本多:レモンハートですか。
(乾杯)
本多:ケホッ(軽くむせる)。
徳尾:これは本多力には、ヤバイ感じの。
本多:ヤバイですね。おいしいけど、濃いですねぇこれ。焼酎のように飲んでますけど、大丈夫ですか?
徳尾:まあね。うまいですよね。
本多:で、劇団名。
徳尾:そうそう。僕はかなり、イヤなんですよね。この劇団名っちゅうのはなんか。どう転んでも、かっこよくならないじゃないですか。かっこつけたいわけじゃ、ないんですけどね。
本多:いいんじゃないですか? なんか合ってますけどね、徳尾さんに。「とくお組の、徳尾です」っていうの、なんか面白いでしょ?
徳尾:それがね、恥ずかしいんですよ。けっきょく、そうやって電話することが多いんで。初めてね、劇場にも、関係者の方とかにも名乗るときにね。「とくお組の徳尾です」って言うのは、なんかもう「えっ? なんで2回言った?」みたいなね、感じになるんですよ、やっぱ。
本多:あるんですね(笑)。
徳尾:それがちょっと恥ずかしくて、なんかすごい自分が言ったほうが早い用事でも「ごめん、これはちょっと菊池、お願い」って。
本多:あ、制作の菊池さんに。なるほどね。でもそっか、電話だとそうですね。けど、徳尾さんの風貌で、「とくお組の徳尾です」って言ったら、なんか面白いですもん、こっち側は。
徳尾:「あーなるほどなるほど。「とくお」っぽいですねー」って言われたりして。「ところで名字は?」みたいな。
本多:あ、ニックネームやと思われる。
徳尾:とか、下の名前だと思われたりして。
本多:え、じゃあ改名するんですか?
徳尾:いや、でもそれもさぁ。あれじゃないですか。劇団名変えても・・・「へぇー」みたいな、「なんでそんな気おこした?」って感じじゃないですか。「かっこ悪いことに、気づいた」みたいじゃないですか。
本多:初めっから、気づいてんのに。
徳尾:「ここで気づいた」みたいな(笑)。
本多:いやぁ、でも僕面白いですけどねぇ。
徳尾:うん、だから、芝居の内容のほうを、ちょっとこう「スタイリッシュにしよう」みたいな、反骨精神じゃないですけど。劇団名がかっこ悪いから、劇団名のわりにはストレートな感じというか、ギトギトしてない感じというか。
本多:ああー。コテコテじゃない感じ。
徳尾:コテコテじゃ、ない。・・・コテコテですかね。とくお組はやっぱ。ネーミングが。
本多:いや、「徳尾さん」で「とくお組」ってね・・・(笑)。コテコテって思われても。
徳尾:コテコテなんですよ、イメージがね。
本多:今ちょっと、傷ついたんじゃないですか?
徳尾:ちょっとね。
本多:ちょっとごめんなさい(笑)。飲んでくだいよ。
徳尾:徳尾親族、みんな本多さんとこ行きますよ。スプレー持って(笑)。
本多:いやいや、スプレーって(笑)。それもコテコテですねぇ、ちょっと。なんですか、そのコテコテ具合は。


本多:徳尾さん、社会人で劇団立ち上げたんですか?
徳尾:そうなんですよ。社会人1年目が終わるころに、立ち上げたっていうか、本公演をやったのが、そうですね。
本多:よく、できましたね。けっこうそんなん、大変なんじゃないですか?
徳尾:うーん。そうっすよね。だからまぁ、学生時代の人に、助けてもらって。ほんとに、「助けてもらって」です。今もそうなんですけど、ほんと・・・「助けてもらいっぱなし」の。とくに最初の1、2年なんかはそうですよ。
本多:えー。じゃあ、人徳に恵まれてるってことか。
徳尾:そうそうそう。人徳のある人を・・・。なんかね、自分が人徳をつけるのって、むずかしいと思うんですよ。そんな自分、そこまで変われないじゃないですか。
本多:はーはー。はい。
徳尾:ないんで。僕、人徳が。そんなにね、もともとない人間なんで。で、考えたのが「人徳のある人」を、最低ひとり、ふたり、まわりに置くことが、僕には必要なんじゃないかと。
本多:それってなんか、「英語をしゃべれるようになるよりも、英語をしゃべれる人間を使える人間になれ」みたいな。
徳尾:そうそうそうそう。
本多:それって、社長の、なんか・・・。僕学生のとき、聞いたことありますよ。
徳尾:あ、あるんすか! へー、すごいな。でも、それにまさしく、自分が30人40人集めて、お客さんを1000人とか呼ぶのは無理だけど、「呼べる人」をひとりでも、ふたりでも近くに、みたいな発想で動くのが、やっぱ賢明なんじゃないかと。だって、そうやって人徳がないのに得ようとして失敗してる人って、意外に多いんじゃないかと思って。「そんな器じゃないのに」みたいな。
本多:ああー。無理しちゃってる感が。
徳尾:そう。もう「器がないんだから、それなりのスタンスを見つけないと、いけないんじゃないか」と1年目に思った。
本多:もうその。「とくお組」の「とく」は、「人徳」の「とく」でもある・・・。
徳尾:ま、ぜんぜんウマくない・・・。
本多:ちょっと(笑)! 自分なりにはけっこう、考えて。2分くらい考えたんですけど。
徳尾:そうそう。まあね、「人徳」の「尾っぽ」ていうか、端きれでもいいから、みたいなのがこう、意味として・・・。
本多:でも、「とくお組」て、ひらがなですけどね、あの。お互いウマくなかったんで、ここは割愛させてもらいます(笑)。で、そうやって出来上がったのが。
徳尾:「とくお組」です。
本多:でも、無理してない感じがしますね、そう言われたら。今日の稽古、1回参加させてもらっても、徳尾さんがそこまで無理してる感じが(ない)・・・。
徳尾:や、もうそりゃ、甘えっぱなしですよね。役者には甘えてますけどね。どっちかというと、役者どうしがずーっと仲がいい感じで。歴史的には、僕が一番浅いっちゃ、浅いんですよ。
本多:あー、僕よく下北沢歩いてたら、とくお組の役者のかたがたが、一緒に歩いてられるところにお会いしたことがあります。
徳尾:ああ、はいはい。仲、いいですもんね。ケンカとかないですもんね。
本多:ないんですか?
徳尾:ないです、ないです。ヨーロッパさんってあります?
本多:まあ、あったりもしますよねぇ。僕も、何回かありますよ。
徳尾:ああ、たまには。僕らは、ほとんどないですよ。ケンカって。

本多:今って、旗揚げして・・・?
徳尾:5年たった、ぐらいですかね。5年目、なのかな。
本多:で、結婚されたのは何年前ですか?
徳尾:えっと、もうすぐ2年くらいになるかもしれない。まだ、2年たたないくらいです。
本多:僕らはまだ劇団員、全員だれも結婚してないんですけど。結婚するタイミングって何やったんすか?
徳尾:あのー。結局、僕らくらいの年になってくると・・・あ、妻おんなじくらいの年なんで、「結婚する気があるのか、ないのか」で、「結婚する気がないなら、もういいわ」って、あるときにもう、言われたんですよ。
本多:ええ!
徳尾:結婚する気があるんだったら、別に今すぐ結婚しろとは言わないけど、結婚する気があるなら、ぜんぜん何年でも付き合うけど、まあ10年先とか言われたら困るかもしれないけど、結婚する気があるか、なしかで、ちょっと考え変わるわって言われて。別に嫌いになったとかじゃないわけで。
本多:ははは・・・ゲホッゲホッ。ちょっといま、想像して咳き込んでしまったんですけど。・・・シチュエーションは?
徳尾:いやべつに、家で言われて。で、まあ別れる理由も、べつにないし。
本多:あ、奥さんはじゃあ、「徳尾さんと結婚する気はある」っていうことですね。
徳尾:そうそうそう。「ないならもう、いいわ。ほかの探すわ。リミッターあるし」みたいな。
本多:そこ、そんなん言ってないでしょ。「リミッター」とか。
徳尾:いや、いやいや。そんな感じのことですよ。言ってましたよ、でも。
本多:「リミッターあるし」。
徳尾:「リミッター、もう切れそうやし」みたいな。
本多:怒られるんじゃないですか? これちょっと(笑)。
徳尾:大丈夫です(笑)。


徳尾:そうそれで、これまで順調に付き合ってきたわけだから、別れる理由もないしって。
本多:どれぐらいの時に言われたんですか?
徳尾:もうそんな、付き合って1年くらい。知り合ってから、結構長かったですけど。1年くらいでそれ言われたんで。それはでも、「自分の人生設計の問題だから、すぐ結婚しろとは言わないけど」みたいな。で、「ああ、じゃあべつに、じゃあ」みたいな。僕、プロポーズ「じゃあ」みたいなもんですよ。言うなれば。「どうすんの? どうすんの?」って二択みたいな。で、「じゃあ」
本多:「じゃあ」(笑)。
徳尾:ていうことですよね。それから1年後くらいに、結婚したんですよね。
本多:そのときは? また「じゃあ」って?
徳尾:いや、よく言われる「プロポーズの言葉は何だった?」とか、あるじゃないですか。でも、結婚てその何ヶ月前に式場押さえなきゃいけないだとか、色んな段取りがあるわけじゃないですか。そういう段取りをもう、考えようとしたりとかすると、話し合わないといけないんですよ。お互い。
本多:ああー、なるほどね。
徳尾:「何人呼ぶ?」「どこで式挙げる?」みたいなとか。その夜は、「ドッキリ!」みたいな、「結婚しようぜ」みたいなことを言う間もなく、打ち合わせにもう、入っちゃうみたいな。だから、「プロポーズの言葉なんか、もう忘れました」なんていう人は、よく分かるなぁ、と思うのは、会議せざるを得ないから。その、実現するまでに。式を挙げるとか、結納するとか、しないとか。
本多:実務的なことが多い。
徳尾:そう、そんなことしてるヒマないでしょ? ロマンチックに言われたら、人によってはキレるかも。「段取り違う」みたいな。
本多:ああーなるほどね。それはでも、以前の「じゃあ」っていうのがあるからこその、あれでしょうね。だって、それがない人って、お互いの意志確認は。
徳尾:あ、そうそうそう。あると思いますね。「そろそろどうかな」みたいな。だからけっきょく、そういうのがなくても「そろそろどうしようか」みたいな。ジワジワ結婚の話にやっぱなってくる気がして。だから「プロポーズ」ていう、「点」みたいな感じで進んでいくっていう人は、意外にすくないんじゃないかな。あまりにも、その手続きがめんどくさくて。
本多:ああー。(笑)急に、グタっとし始めたんですけど。これは大丈夫?
徳尾:いやー、もう、暗い話になってきましたけど。
本多:暗くないっすよ。希望がありますよ。僕も同い年じゃないですか、言っても。
徳尾:そうなんですよ。ちょっと考えるでしょ? 考えません? なんかそういうものに対して。
本多:ありますけど、経済的にもやっぱちょっと無理ですし。働かれてたんですよね? そんとき。
徳尾:そうなんです。ま、サギみたいなもんよね。言ってみりゃ。今、働いてなかったりして。
本多:でしょ? その、結婚のタイミングも、めっちゃ気になってたんですけど、仕事を辞められたタイミングが。 だって、演劇というか、そういうのでやっていこう、ってなった訳じゃないですか。
徳尾:そうそう、でも結婚するときに、僕もちょっと頭働かせて、「会社辞めなきゃいけないことに、なるかもしれないけど、それでもいいなら、じゃあ」みたいな。「じゃあ」の前に条件つけて。
本多:(笑)。けっこう言ってるじゃないですか。「じゃあ」しか言ってない、みたいなこと言ってるけど。けっこう保険かけた上での「じゃあ」じゃないですか。
徳尾:それは、もちろんもちろん(笑)。
本多:なんやー。だまされた。何それー。えぇーちょっとー(笑)。ちょっともう1杯飲みますか? 何飲みます? もう1回メニュー頼みます?
徳尾:いや、大丈夫です。(店員さんに)ジンバック。
本多:(続けて)あ、僕もジンバック。

徳尾:いやぁ。面白いですね、対談。
本多:面白いです。これ、いままで年上のかたとばっかやったんで、同い年は初めてで。僕、徳尾さん年上やと思ってたんですよ。
徳尾:よく、年上やと思われるんですよ。
本多:やっぱ、結婚もされてるから。社会人もやられてるから。え、それで、「それでもいい」って奥さん言われて結婚して。
徳尾:そうなんですよね。まあ、共働きだから、片方が一時期、ね。そりゃずーっとプータローじゃ困りますけど。ま、芝居やってるの知ってたんでね。
本多:あ、そっか。
徳尾:なんていうか「まともな人間じゃないな」っていうのは、まあ分かってたと。
本多:職場で出会われたんですよね? 付き合うまでに、奥さんはお芝居を観られたりしたんですか?
徳尾:えー、見てましたね。会社の同期はみんな、来てくれるんで。
本多:あ、同期なんですね。へぇー。それは、やっぱ「面白かった」と。
徳尾:いや、本公演こそ観にきますけど、ほとんど感想言わないし、例えば最近一緒にやった「御手洗ゼミ」とか、DVDできたじゃないですか? それも見ないし。
本多:見ないんすか? へぇ。なんでですか?
徳尾:興味がないみたい。
本多:ええー。
徳尾:基本的に興味がないみたい。
本多:徳尾さんに?
徳尾:いやいや、作品に。
本多:あ、そこは否定するんですね(笑)。
徳尾:(笑)。テレビとか、ちょっこっと書いたやつがドラマになったりとかしても、見ないんですよ。オンエアの日とか、見ないんですよ。
本多:「見ろ」とか言わないんですか?
徳尾:いや、さすがに「見ろ」って言うのも、恥ずかしい話じゃないですか。やっぱ夫婦といえど。「見ろ」って、どんだけ「俺様」やねんみたいな。
本多:「見てよ」みたいな?
徳尾:「見ないの?」みたいな。
本多:あ、言うんは言ってるんですね。別に僕、(「見ろ」という)言葉を言ったか、聞いたわけじゃなくて、ニュアンスを(笑)。
徳尾:いやいや、「この日、あるけど、見ないの?」みたいな。言うじゃないですか。身内に。「こんど出るよ」とか。
本多:はい。言います、言います。
徳尾:見るじゃないですか? 身内だったら。でも、見ないんです。べつになんか、深い意味があるんでも何でもなく、見ない。でも、べつにそんな、またね「大っきらいだから見ない」とか「ひねくれてるから見ない」とかじゃなくて、こう、自然な感じに、興味ないんでしょう。
本多:なるほど。へえー。
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