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徳尾:いや、いいですね、ギネス。これはウマそうっすね。
(なにやら、ビールサーバーのような機械に、ビールを置く店員さん)
本多:これは、何の機械なんですか?
店員:電波っていうか、それで泡がクリーミーになるんです・・・。電磁波みたいな。
本多:はあー。
徳尾:じゃあ・・・電磁波に。
本多:電磁波に乾杯を。
(乾杯する、二人)
徳尾:4杯目。4週目ってことですね、これは。・・・どうでしたか? 『エヌ氏の晩餐会』を、終えて。
本多:別に、そういう時系列は、ないですよ。そんな、新たな要素加えられても(笑)。まとめて4杯飲んでるの、収録してるんで。
徳尾:(笑)! 「4週目」ていう時系列はいらないですね。
本多:でも、『エヌ氏の晩餐会』楽しみですよ、むちゃくちゃ。
徳尾:いやあ、面白くしましょうね。ちょっとね。
本多:はい。ぜひ。
徳尾:すいません、台本あがってなくて。
本多:いやいや、そんな、それはぜんぜん。僕むしろ、今日稽古に初参加させてもらって、自分の出番がもしいっぱいあったら、「今まで(稽古に参加できてなくて)申し訳なかったなあ」っていうのがあったから、逆に声だけでちょうどよかったなあって思ってました。
徳尾:なんかねぇ。それまでに稽古があって、途中から入って「え、そんな感じなの? ふーん」みたいなのも、嫌じゃないですか。
本多:それも嫌っすねー! 今まで、ほかの人が代役でやられてて。その人のほうが面白かったって思われたら。せっかく呼んでもらったのに「えー」ってなる。


本多:僕、徳尾さんに初めてちゃんと出会ったのが、『御手洗ゼミ』(1分半劇場『御手洗ゼミの理系な日常』)なんですけど。あれは、どうだったんですか? 映像の演出って初めてだったんでしょ?
徳尾:初めてだったんですよねぇ。『御手洗ゼミ』は、プロデューサーの方が声かけてくださったっていうのが・・・。あのー、そのプロデューサーのところにね、「とくお組っていう劇団があるんで、もしよかったら公演に観に行ったらどうですか?」とか、紹介してくれた人がいて。そしたらまた別の日に、違う人から「とくお組って劇団、知ってますか?」と、要はそのプロデューサーのところに、たまたま別の2人が、とくお組の話をして。
本多:あ、そうなんですか。
徳尾:プロデューサーは、そんとき「監督だれにしようかなー」って思ったときで。で、その言ってた「とくお」っていうのは、誰なんだろうって会いに行って「なんか、こういう理系の話をしたいんだけど」みたいな話をして。そのときプロデューサーの中では別に、その目の前にいる「とくお」で決めるつもりはなくて、「話を聞いてみよう」ていう感じだったんですけど。そしたら、たまたま僕も理系で「ああー、それ分かりますわ」みたいなね。あんま分かってないのに。「分かりますわー」みたいなことを。
本多:あ、あんま分かってなかったんですか(笑)。
徳尾:(笑)。そいで、「こーれは、面白いですねー」みたいなことを言って。で、「脚本やるのかなー」って思ってたんだけど、プロデューサーは別に僕の舞台を見たことがなくて。まあ「お芝居やってる人」っていう感じなんで「演出面をやって下さい」みたいな感じで、声をかけてくださったんですよ。だから、最初からそんな、脚本の話とかは、全然なかったの。

本多:はあー。今までに舞台とかで、演出だけをされたことっていうのは、あったんですか?
徳尾:ない、ない。自分の劇団の作、演出以外はやったことない。
本多:じゃあそれって、ぜんぶ自分で書かれてたんですよね。じゃあ、書いてるうちからイメージがあった・・・。
徳尾:そうそうそう。
本多:じゃあ、「書かれたものからイメージを膨らませて」っていうのは?
徳尾:ないんですよ。だから、すごい大変でしたよね。慣れないし。しかも、1回分が1分半だし、「やることってもう、これしかないじゃん」みたいなのばっかりだから。だけど、「ちょっと舞台っぽくしたいんだよなー」みたいなこと言われて。「分かりました」みたいな。なんとなく、分かるじゃないですか。いい意味で平面的で、カットでガンガンガンって割っていく感じじゃなくて、ちょっとこう遠目でなんかやってる感じ、とか。
本多:ああー。見た感じで。
徳尾:そう。プロの映像の現場って初めてだから、「そういう感じで稽古つけたらいいのかなー」って思ってたんですけど。そしたら、「はい、ドライいきまーす」とかっつって、「はい、ドライ終わりまーす」っつって。「もう終わりかよ!」みたいな(笑)。「なんにも言いたいこと言えないじゃん」みたいな。で、ドライ終わったら「どういうカット割りでいきます?」っていう話になるわけじゃないですか。
本多:うん。ドライっていうのは、アレですよね、一番初めのリハーサルで、「演技とかどんなんしましょう?」みたいなのを打ち合わせしながらやってくやつですよね。
徳尾:そう、それが舞台で言うと舞台稽古で、よくそこをメインにやるわけじゃないですか? 映像って、そういうリハーサルって、時間で言えば、ほんの少しじゃないですか? 一瞬で終わってしまうじゃないですか。だから、「えー!」って思って。
本多:あ、演技を「こうして下さい」っていう間も、そこまでなくて。演技を見た感じで、カット割りみたいなんを決めていくってことですもんね。
徳尾:そう。だから準備してたのとぜんぜん違って。「カット割りとか言われても・・・お好きにどうぞ」みたいな感じじゃないですか? 舞台からすれば。
本多:ああ(笑)。
徳尾:でも「え、そこは、どうするんすか? どうするんすか?」みたいに言われることが、やっぱ1回目は多かった。だから僕は「舞台演出」っていうような観点でいうと、諦めましたね1回目で。2回目は、まあ芝居のこともあるんですけど、いかにカット割りをがんばるか、という(笑)。あとは、ちょこちょこドライの間にがんばるんじゃなくて、事前に、ちょこちょこした合間でイメージを伝えていく。なんかそういう、空き時間のときに、いかに役者さんに伝えられるかっていう。・・・ぜんぜん出来なかったですけど。
本多:いやいや、でも、やってて思ったんが、やっぱイメージがすごいあるんですよね、徳尾さんって、たぶん。そうやって、ほかの人が書かれてた台本でも、すごい読んでイメージを固めてきてるなっていうのがあって。だから、模範演技っていうか「こうやって下さい」みたいな、例え演技みたいなのやる時も、むっちゃもう誰よりも役者で(笑)。
徳尾:本意気で。
本多:本意気でやるし(笑)、なんか「ちょっと小突く」っていう芝居も、むっちゃ「ガンッ!」ってやってくるし。それが僕は面白かったですよ、すごい。
徳尾:(笑)!

徳尾:なんかでもね、しっかりやんないと。「ちゃんと考えてきてね」ってよく言われてたんで。まあ、考えざるをえなかったし。やっぱなんか、脚本家さんがオンエアとかDVD化したのを、ガッカリして見るのだけは、避けたかったですしね。
本多:ああー。それは、プレッシャーありますよね。
徳尾:あります、あります。「こんなんじゃないのになー」って思われたら嫌だなあと思ってたんですけど。まあでもそこまでは。脚本打ちの段階で「こんな絵になります」みたいな感じで、いちおう了解とってますしね。けど脚本っていうのはやっぱだいぶ変わりましたね。打ち合わせで。
本多:変わるんすか?
徳尾:変わりますね、やっぱ。ほとんど。だって、自分が脚本で監督だけど、「あれっ、これ誰が考えたんだっけ?」と思うのとか、ありますからね。
本多:そっか、2回目の収録から徳尾さんも脚本書かれてますもんね。
徳尾:そうですね。だって、1回「自分で脚本で、自分で監督」ってやってみないと、感覚が分かんないかな、と思って。
本多:え、にもかかわらず「これ誰が考えたっけ?」ってなるんですか?
徳尾:ああ、それくらい打ち合わせで変わるんですよ。
本多:打ち合わせって何人くらいでやるんですか?
徳尾:5〜6人でやるんですけど。プロデューサーさんが、バーっと見てくれるんですけど。やっぱその、自分が面白くない台本を書いてきてることも多いんですけど、「これ、こういう雰囲気が面白いんだけどなー」っていう、なかなかプレゼンがうまくいかなくて。「え、意味分かんないね、この台本」「うん、僕も意味が分かんないと思います」みたいな感じでボツになることが多くて。
本多:へえー、そっか。それは「伝える」っていう作業が必要なんですね。
徳尾:とくに、劇団の台本って不親切に書くのに慣れてるから。
本多:そっか、劇団内ってみんな、共通言語ありますからね。
徳尾:そうそうそう。適当に書くじゃないですか?
本多:適当でもないでしょ? そんな言ってるけど(笑)。
徳尾:いやでもね、ちょっとした「ここは、この“間”だろう」てのが分かんない。
本多:それは、そっか。
徳尾:まったく知らない人が見ても分かんないから。
本多:で、それって、言語化しにくいことであったりしますもんね。
徳尾:「んん〜・・・! おもろいんっすよ!」みたいなね(笑)。ぜんぜん説得力ない。だから、そういう意味ではね、すっごい勉強になりましたよ。すっごい楽しかったですよ。映像も初めてだし。

本多:いや、『御手洗ゼミ』ね、楽しかったんですよ、僕もそうとう。あんだけガッツリやるのってそこまで・・・その、登場人物が4人だけで、まあ1分半ですけど4人全員がだいたい出ずっぱりで、っていう、そういうのってあんま経験したことなかったんで。
徳尾:そうだよねぇ。
本多:それでしかも映像ですし。だから、自分の立ち位置とかも分かんなかったですけど。でも徐々にいろんな人としゃべって、現場の空気も良くなってって。1ヵ月に1回撮って、6ヶ月撮ってたから、役者もどんどんみんな仲良くなるし。あれ、もし6日間で撮ってから、そんなに仲良くはならなかったですよね。
徳尾:そうなんですよねぇ。あれ、DVDのメイキングを見て、「こんなに役者さんって喋ってたんだ」って思って。休み時間とか。
本多:でも、1回目の収録のときとか、ほっとんど喋ってないですよ。
徳尾:そうなんすか、やっぱ。それは、まだ関係性の問題で? 仲良くなる時間ていうことで?
本多:そう、「どこまで喋っていいのかなー」ってお互いに。
徳尾:ほうほう、探りあう。
本多:でもそのへんは、ハマカーンの浜谷さんが、場をちゃんと盛り上げてくださって。すごいな、と思いながら。楽しかったですね。
徳尾:楽しかったですね、最終的に。最初の1ヵ月は、慣れなくてツラかったですけど。
本多:僕も一緒です。1回目終わったあとに、たまたま下北沢で出会ったじゃないですか? あれ、1回目のあとですよね?
徳尾:ああ、出会った。あれ、1回目のあとで、「僕はもう、これで姿を消すことになると思います」みたいなこと言ってましたよね(笑)。
本多:徳尾さん、言ってましたよね(笑)。で、僕「え! そうなのかな!」って思って、2回目の収録の台本が届いたときに、監督が徳尾さんの名前やって、ああー(安堵)みたいな。
徳尾:僕も思いましたよ。「次の打ち合わせ、木曜なんだけど」って言われて、「あ、首の皮がつながったんだ」みたいな。
本多:「打ち合わせに出る」ってことは、そうですもんね。
徳尾:思えばねぇ、1回目なんて、僕会社行くのと間違えて革靴はいてきちゃって。
本多:革靴はいてましたね(笑)。「寝ボケて革靴はいてきた」っつって。
徳尾:もうね、足はしんどいわ・・・。
本多:プレッシャーはあるわ、でねぇ。
徳尾:そうそうそう。
本多:でもやっぱ、1回目ってみんなプレッシャーそうとう、あったんじゃないかなと思いますね。
徳尾:でも最終的には、楽しかったですね。
本多:楽しかったですよー。でも、終わるまでそういう感想って持てないんですよね、なんか。
徳尾:毎回ツラいんっすよね。「また夜中までかー」みたいになって。
本多:1日でだいたい、13本か14本くらい撮るから。だから、だいたい12時間とか13時間とかねぇ。撮影が。
徳尾:もっとですよー。
本多:もっとですよねー。15時間、20時間とかの日もありましたよねー。
徳尾:20時間でしたねー。あれは。すごかったっすねー。

徳尾:何が一番ツラかったですか? ザックリしたイベントで言うと。
本多:僕は『御手洗ゼミ』のテーマ曲みたいのを歌ったとき。
徳尾:やっぱそこですよね!
本多:僕、ほんと音痴で、リズム感もないんですよ。
徳尾:そうですか? そんな感じではなかったですけどね。
本多:だって僕、小学校のときにピアノ習ってたんですけど、それって歌をうたうときもあるんですよ。で、『いぬのおまわりさん』とか歌ったとき、僕、家が寺なんですけど、なんかピアノの先生に「お経みたいやね」って言われて。
徳尾:(笑)!!
本多:それから、トラウマなんです、ほんとに。だから、ほんっとヘタなんですよ。だからすごい・・・しかも、ラップでしょ? 僕の担当の部分がラップやって。しかも、NGを10回くらい出したんですよ。たしか。
徳尾:そうでした?
本多:初めはみんな笑ってるけど、だんだんみんな笑わんくなってきて。
徳尾:でも、記憶ないっすね、そこまではね。
本多:ほんとですか?
徳尾:そりゃもう、みなさんNGは、ね。(青柳)塁斗くん以外はね。塁斗くんは、サササーっとやっちゃいますけどね。
本多:塁斗くんはすごいっすね。いやあ、歌はツラかったですね。
徳尾:役者さんもたぶんツラかったと思うんですけど、撮りかたとかも、ああいう、ちょっとPVっぽいのがいいなあと。要は、いろんな声が聞こえてくる中で・・・って僕そんな、なかなか苦手なんだけど、そういうの。でもやっぱ時間かかったのが、大変だった。
本多:僕、「宇多田ヒカルさんのPVっぽく」っていうふうに言われて、でも見たことなかったんで(笑)。でもそこ「見てない」っていうのもアレなんでなんか、「あっ、こういう感じですか?」って、言われた感じでなんとなくやってたんですけど。
徳尾:そうですよね、僕も撮り終わってみたら、そんな「宇多田ヒカル」でもないなって・・・(笑)。ソファーから離れてるし、って。見ました? あれはね、違うんですよ。
本多:違うんですよね。細かいディテールは、違うと思います。
徳尾:(笑)。いやあ、でも面白かったっすね。
本多:面白かったっすよー、ほんとに。終わるんが、ちょっと寂しかったですね、最終日は。
徳尾:そうですね。浜谷さん、泣いてましたからね。
本多:浜谷さん、泣いてたんですか?
徳尾:泣いてたじゃないっすか! 花束もらったときとかって。
本多:泣いてましたっけ・・・。
徳尾:えええー!
本多:ネタで泣いてたんじゃないんですか?
徳尾:違う、違う。めっちゃ泣いてましたよ。泣いてて、涙かくすために、なんか「昨日見たDVDが何とか」とか言って。それでみんな、スタッフ的には「ええー何だそれー」みたいななって。泣いてましたよ。ウルっときてましたよ。
本多:ええー。すてきー。

徳尾:『御手洗ゼミ』ね、僕オンエアまだ1回も見たことないんです。
本多:僕も、関西なんで、ないんです。関東ローカルですもんね。
徳尾:でも僕、関東にいるのに1回も見てない。
本多:それは、問題あるんじゃないですか(笑)?
徳尾:言えないんですよ、誰にも。
本多:誰にも? ・・・これもう、世界発信しますけど。
徳尾:(笑)。オンエア見たことない。DVDね、売れるといいですね。完成品とか見られたりしたんですか?
本多:はい。見ました。
徳尾:後半にいけばいくほど、面白いですね、あれ。・・・すいません、ちょっと「雑談」みたいになっちゃって。
本多:いやいやいや。ぜひ、『御手洗ゼミ』のDVD買って、「とくお組」見に行って。ね。
徳尾:うん。ファブリカもね。
本多:ファブリカもね。・・・でも、これぜんぶ終わったあとに更新される回なんで。
徳尾:ぜんぶ終わったあと・・・? ああ、そうか。
本多:4週目だから、そのころには、公演も終わったあとなんで(笑)。今、宣伝しようと思ったんですけど。
徳尾:・・・どうでしたか? 公演は。
本多:いやいや(笑)!
徳尾:その時系列は、いらない(笑)。
本多:はい(笑)。でも、楽しみです、ほんと。
徳尾:そうそう、楽しみですね、公演。
本多:ぜひ、見に来てもらって、感想とか聞きたいですねー。
徳尾:ほんと、聞きたいですよねー。ほんとに、とくお組と本多さんがいい風に交わると思うんですよ。予感がひしひしと。
本多:僕も今日、ほんとに思いました。願わくばこの回がアップされてる頃に、おたがい険悪になってないことを・・・(笑)。
徳尾:祈りつつ(笑)。
本多:今日はこんな感じで。
徳尾:こんな感じで。
本多:徳尾さん、どうもありがとうございました。
徳尾:ありがとうございました。

(9月上旬、収録)
―収録を終えて―
同い年だけど結婚もしてて、会社勤め経験もありという自分と比べて人生経験豊富な徳尾さんの話は聞いてて新鮮でした。
でも、終始居酒屋の会話っぽくなったのが残念っちゃあ残念でした。
(本多力)
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