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筧:『かわい子くん』のときの話でいくと、自宅の装飾が妙にキレイな空間にしてたじゃない? 「モテない人」なのに、モテそうな感じの部屋に住んでるじゃない?
本多:ああー、はいはい。「いかにもモテない」っていう感じじゃなくて・・・。
筧:そう。むしろ、「モテそうな部屋に住んでるんだけど、モテない」っていうほうがリアリティがあるんじゃないか、っていう。
本多:そうそう。でも、それはそうやなーと思って。服とかも、そうじゃないですか。
筧:服も、かわいい、きれいな服着てるもんね。
本多:オシャレな服やし。でも「それでモテない」っていうことは「僕がモテない」っていうことなんやなって。「僕自身の素材が、モテないんやな」ってそのとき思って(笑)。
筧:(笑)!
本多:だって、あとはモテる要素がいっぱいあるのに・・・。まあまあ、実際モテないですけど・・・。だったら「自分」でいくしかないな、と。でも、出来あがった作品見て思ったんですけど、筧さんがリハーサルのときに、リアリティのある感じじゃなくて「一個あがった」状態のものでやりたいって言ってて・・・。
筧:まあ、俺は毎回そうなんだけどね。
本多:毎回、そうなんですか?
筧:あんまり、リアリティに即したし芝居とか、好きじゃないんだよねー。
本多:でも、リアリティはあるかどうか分かんないですけど、僕自身の演技見てて、ちゃんと「一個あがった」状態になってたんかなって思って。
筧:あがってたよ。たぶん、全体から「あがってる」感は、匂ってたよ。
本多:ほんとですか。
筧:芝居も含めて、顔も。
本多:顔・・・顔は(笑)。
(お酒、到着)
本多:ん、おいしい。
筧:(写真撮影しつつ)こうやって、顔が酔っ払ってくるんだねー。


筧:ああー。でも、逆に言うと俺、本多くんの「ナチュラルに捉えた」とか「ものすごいナチュラルに即してる」ていう芝居って、見たことない・・・。
本多:あっそうか。
筧:たぶん、たまたま見てるやつがそうなのかも。だって、本多くんを初めて知ったのが、映画の『サマータイムマシン・ブルース』の試写会で。「なんだ、この人?」て思ってたけど。「なんだ、この違和感! この一人浮いた・・・誰、これ!?」って、初めて見たとき、思ったの(笑)。永野くんも含めて「誰、これ!?」って。
本多:ヨーロッパ企画の二人がね。
筧:うん。そのとき、ヨーロッパ企画知らなかったから。俺、映画版を先に試写会で見てから、下北の駅前劇場かどこかで、舞台版を見てるから。順番が逆なんですよ。
本多:舞台も見ていただいたんですか?
筧:見てますよ。あのときはまだ、一緒に仕事はしてないときで、ヨーロッパ企画のメンバーを全員たいして知らなかったから、一観客として見てたんだけど。そのとき一観客として思ったのが、みんなちょっと世界観作った芝居してる、っていう。本多くんは「未来人」だったし。あれってSFじゃない? コメディだし。それに、ヨーロッパ企画の芝居ってさ、「超ナチュラルな芝居」ってないでしょ? やっぱ上田さんの作品は、世界観作り込まれてるじゃん。
本多:作り込まれてる。
筧:そう思うと・・・。まあ「何がナチュラルなのか」っていう話にもなってくるんだけど(笑)。ただ、芝居で言ったら「ポツドール」みたいな、ドキュメンタリー的な感じで作ってるような、ああいう感じでもないじゃないですか。だから、本多くんのそういうナチュラルなのを、ほんとたまたま見たことないから。
本多:まあ、「エンターテイメント」ですよね。
筧:そうそう。「エンターテイメント」って結局さ、日常を描いててもしょうがないわけじゃないですか。日常にある、「ああ、あるある」みたいな感情を、ちょっと誇張してあげなかったら・・・。やっぱり、「映画館で見る」とか、「劇場で見る」っていうことは、そういうことじゃないですか。
本多:そうですよね。「日常」なんか、まあどこかで見れるわけですもんね。
筧:そう。そんな、自分探しの話は知らん、と。そんな地味な邦画はどうでもいい、と(笑)。
本多:なんで、そんな(笑)! ウイスキー飲んだら、急にキャラ変わるんですか?
筧:(笑)。

本多:じゃあ、好きな映画って何ですか?
筧:『アルマゲドン』だね!
本多:まじで。
筧:『スターウォーズ』だね!
本多:ああー。
筧:いやウソ、ウソ。
本多:ウソなの? 本気で言うと?
筧:この2〜3ヶ月で久々に見て「俺は、これが原点だったなって思ったのが『ショーシャンクの空に』っていう映画。知ってるでしょ?
本多:へえー。僕、昔好きやった女の子が、その映画を好きだって言ってて。
筧:そうそう。20代の女の子が「好きな映画は?」っていうと、だいたいこれを言うんだよ。
本多:そう、言った!
筧:でも、よくできてるんだよ、あれ。
本多:でも見てない! 見ます!
筧:見てないの? 俺これねぇ、実は17歳のときに、当時付き合ってた女の子と・・・まあ、クラスで一番かわいい子だったんだけど。
本多:そんなん、いいですよ(笑)。
筧:そう(笑)? その子と二人で観に行ったの。『ショーシャンクの空に』って、ティム・ロビンスが演じるアンディという男が、奥さんを殺したっていう冤罪で、「ショーシャンク刑務所」っていうすごい厳しい刑務所に入れられちゃって、二十数年かけて、脱獄するっていう話なんですよ。
本多:え、脱獄するんですか?
筧:そうなんですよ。
本多:なんか、ガッツポーズしたような絵をよくみるんですけど・・・。
筧:そうそう。あれが、脱獄した瞬間だよ。まあ、それが大きなオチではないんだけどね。で、彼はすごく頭のいい男で。刑務所の世界感に慣れていって、刑務所のみんなを幸せにしていくっていう話なんだけどね。それで、モーガン・フリーマンていう・・・知ってるでしょ?
本多:はい。
筧:モーガン・フリーマンが、「もう俺は死ぬまで一生刑務所にいる」と思いこんでる老囚人の役で、その老人と、アンディという男の心の交流の話なんだけど。俺はそれを17歳のときに見て。これ、今話した感じだと、すっごい渋い映画でしょ? 女性もほとんど出てこないし、恋愛でもないし、ヘタしたら暗い話なんだけど。でも、ユーモアも交えた、すごい、いいストーリーになってるから、もう俺そのとき号泣して。こんな渋いストーリー見て。池袋東急で見て。
本多:そんな、映画見た場所とか、全然知りたくないですけど(笑)。

筧:それで、一緒に行った女の子はポカーンとしてるわけ。エンドロール終わって。「良かったけど、そんなに泣くなんて思わなかった」って。
本多:そっか、まだ10代ですしね、その女性も。
筧:確かに、17歳であの映画見て、号泣する男子高生って、なんか渋いですよね。
本多:なに、けっきょく自画自賛みたいな(笑)。
筧:違う違う(笑)、「渋い」っていうのは、いい意味じゃなくて、「おっさんくさい」っていう。
本多:ああ、そういう意味か。
筧:そう。で、最初に見たのが17歳だから・・・13年振りに、つい最近見たんですよ。DVD買って。そしたらこれが、ほんっとに面白くて。この13年の間に、僕は映画のことを勉強して、作るようになって、プロ・・・プロというかまあ、仕事になって。そうするとさあ、見方がちょっと専門的になっちゃったりするじゃないですか。
本多:なりますね。
筧:ちょっと分析しちゃうじゃない? 昔は好きで見てたのに。いつの間にか深く見すぎるようになっちゃって。でも、深く見ても面白いっていうのは、すごいなーと思って。
本多:ああー。
筧:昔は、かるーく「デートだ」っていう感じで見て面白かったのが、今、深く見ても面白かったっていう。
本多:えー、そんなに面白いんだ。見よ。
筧:素晴らしいですよ。ちょっと長いけど、ほんとにいい映画。あれは「好きな映画」って言ってもいいんだなって思った。回数なんて、たかだか2回しか見てないけど、「こんなに、いい映画があったんだ」って思った。
本多:はああー。
筧:っていうのもあるし、まあ、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』みたいな、誰もが好きっていうものも、好きですし。でも俺、中学生くらいで止まってるんだよねー。映画の印象が。
本多:じゃあ、作るときもその印象で作ってるってことですか?
筧:高校とか大学くらいからだと、勉強とか意識して、若干そういう風に見ちゃってるから。
本多:ああ、そうか。中学生のときは、まっさらな状態で見てるから。
筧:うん、映画監督になるなんて思ってなかったから。
本多:え、じゃあ高校の時から思ってたんですか?
筧:高校3年くらいの時から、なんとなく、映画監督とか意識してたから・・・。あ、2年くらいかな?
本多:へえー。早いっすねぇ。

筧:まあ僕、専門の学校に入ってるからさ。日大芸術学部。19歳から大学に入るってことは。逆算したら17歳くらいから考えてるわけでしょ? 本多くんは大学、立命だっけ?
本多:そう僕、立命館大学です。
筧:「立命に入りたい」って、やっぱ17歳とか18歳とかで思ったでしょ?
本多:あ、でも僕エスカレーターなんで・・・。
筧:あ、そうなんだ・・・。フゥ〜。
本多:いやいや。そんな、冷やかしみたいな(笑)。でも、演劇を見だして、「演劇やりたいなー」って思ったのは、その頃ですね。
筧:役者になりたいと思ったのって、何歳くらいのころ?
本多:僕・・・小6か中1の文集みたいなやつに、将来の夢は「劇団員になりたい」って書いてます。
筧:「劇団員」なんだ。「役者」じゃなくて(笑)。
本多:なんか知らないですけど、「劇団員」なんですよ。だからもう、すぐクリアしたんです。
筧:なるほどね。僕が「映画監督になる」って書くんじゃなくて、「映画を撮りたい」って書くようなものだね。
本多:そうそう。そういうことです。
筧:はー。ある意味、それはピュアかもしれないね。それじゃあ「将来の夢」で目標を掲げるのは、俺より早かったね。
本多:そうですねぇ。
筧:僕は17歳か18歳くらいでなんとなく意識して、19歳からもういきなり大学で映画を撮り始めてるから。ていうことはもう、なんとなく「映画監督になりたい」と思い始めてるわけだから。まあ実際は、映画監督になれると思ってなかったけどね。ぜんぜん。99%、なれないと思ってましたよ。
本多:まじですか。それでも、なろうと思ってたってこと?
筧:いや、あのねぇ。僕けっきょく、映画監督になったのは「流れ」なんですよね。なんだかんだ言って。
本多:流れ!?
筧:すごいなんか、イヤな感じかも分かんないですけど。
本多:いやいやいや。嫌な感じじゃないですよ。かっこいい、アレじゃないですか。むっちゃカッコイイ人が言う言葉じゃないですか。筧さんから聞きたくなかったですよー(笑)。
筧:あれでしょ? 「自分がなりたいんじゃなくて、世の中の人が求めてくれた」みたいなやつでしょ(笑)?

本多:なんかね、役者の人でもね、「役者なんてなりたくなかったけど、結局やってる」みたいな人とか。
筧:あー。「ほんとは、クリエーターになりたかった」とか「ほんとは、ミュージシャンになりたかった」とかって人、いるよね。それで、めっちゃくちゃ上手かったりとかして。
本多:そう。だから「ほんとは役者になりたくない」っていう風に思おうとした時期、ありましたもん。そういうインタビュー読んで。しょうもないですけど。いっちばん、しょうもないですけど(笑)。
筧:いいね、そういうの。計算高くて(笑)。
本多:でも、筧さんの「流れ」って何? 「縁」とか、そういうこと?
筧:ほんとはねぇ。僕、一番なりたかった職業は漫画家なんだよねー。
本多:漫画家!
筧:全部、自分でできるじゃん。楽しいんじゃないかな、と思って。映画監督は、やっぱみんなと一緒にやっていかないと、いけないじゃないですか。それも、楽しいんだけど。やっぱり、良いところと、悪いところがあって。悪いほうで言うと、「直感でものごとを決められない」っていうか。要は、何かを「して」って言って、何日か後に出来あがってきたりして。で、違ったら「ダメ」って言って。でも、漫画家って、「この顔にしたい」とか直感で描けばいいし。演技だってさ、漫画だったら自分の思うように描けるわけじゃないですか。「笑顔」とか。でも監督だったら、「笑顔」をしてもらわなきゃ、いけないじゃないですか。ある意味、ぜんぶ他力本願なんですよ。
本多:ああー、はいはい。
筧:だから、コミュニケーションが大事なんだけど。漫画家は、コミュニケーションとかあんまり出来なくても、自分の世界観で全部つくっていけるから。それはそれで、かっこいいじゃないですか。
本多:かっこいいですね。
筧:それはたぶん、面白いと思うし。で、実際描いてたこともあったし、漫画家になりたかったんだけど。でも逆に、「みんなと一緒にやっていかないといけない」というのは、映画の長所なんだけど。つまり、スタッフとかキャストに一旦預けることによって、一人で作ったのでは予想もつかなかった、アイデアみたいなものが出てくるんだよね。だから「この人の衣装は、赤がいいです」とかずっと言ってたのに、衣装さんが「よく台本を読み込んだら、この人はちょっと、かわいらしい、フェミニンな部分もある男の子だから、赤じゃなくてピンクっていうのはどうですか?」って言って、持ってきたものを見て「あ、意外といいじゃん」みたいになって。それで、実際にフィッティングしてみて「あ、この俳優さんは、僕の頭の中だけでは赤だったけど、キャスティングが決まって、衣装さんが持って来てくれたのがピンクで、着てみたらよかったじゃん」みたいなこともあるわけですよ。
本多:ああー。なるほど。
筧:これは絶対、自分が全てで、赤いペンを取り出して、赤を塗ったら終わりっていう漫画家の世界では、できない。そういう意味では、楽しいですね。すごく。

本多:そうか、そうですよね。僕は漫画とか描いたことないですけど、『かわい子くん』でも、「相手の役者さんがいて、その人と演技をする」っていうのが、すごい楽しかったですね。
筧:あれはねぇ。あの他の3人も、やってて楽しかったでしょうねぇ。
本多:楽しかったですよ。
筧:麻生さんは、芝居やりやすそうですね。
本多:麻生さんは、特にやりやすい。僕、特に麻生さんとのシーンが多かったから。
筧:楽しかった?
本多:楽しかった。・・・まず男としては、「キレイ」っていうのがありますけど(笑)。
筧:ねぇ(笑)。僕、麻生さんとは4年前『美女缶』公開時に知り合ってて。一度食事したんですけど、仕事を一緒に出来る機会は中々なくて。だからずっと一緒に作品作りたかった女優さんでした。実力派だもんねー。顔も含めてねぇ。よかったねー、一生の思い出だね。本多くん、もうこれで引退してもいい・・・。
本多:いやいやいや! そんな(笑)。でも、麻生さんってブレない何かを持ってる上で、僕と会話したりするところで、微妙にこう、演技が変わったり。あと、漫画喫茶で、僕とたまたま出会うシーンで、麻生さんがもともとやってた演技は、「漫画喫茶で会ったことに対する気まずさ」みたいなんを、表現されてたんですよ。でも、筧さんは「その前にケンカみたいなことをしてるから、それの気まずさ、みたいなことでやってください」ということを言ってて。
筧:ああ、言った言った言った! 間合いでしょ? なんていうセリフだっけ? 俺今日ね、台本持ってきたんだよ。
本多:え、まじですか?
筧:いや、写真撮っておいたらいいかな、と思って。
本多:ああー、いい! ありがたいっすよー。
筧:そうそう。こういう話になると思ってね、持ってきたの。
本多:(筧さんが取り出した台本を見て)わーすげー!

筧:初めて見る?
本多:うん。これって、シャッシャッシャッて線が引いてあるのは、「撮り終えた」ってこと?
筧:そうそう。・・・(漫画喫茶のページを探して)あ、これだ。「あ、なんか気まずいと思ってるでしょ」っていうセリフ。
本多:そう、それ!

筧:これが、「こういう格好をしてるっていうので気まずいと思ってる」のか、「ケンカ後」だからか、ということでしょ?
本多:そう! で、筧さんがそう言ったときに、麻生さんが「私は、理子っていうキャラクターは、ケンカの後とかいうことをあんまり気にしてないと思うから、漫画喫茶で、こういう格好で会ったっていう気まずさでやってました」っていうようなことを言われて。でも筧さんが「前のケンカを引きずって、っていうのでもやってみてください」って言って、そこで麻生さんが「はい、分かりました」って言って。で、次のときの演技が、変わってたんですよ。微妙に、なんですけど、変わってて。僕、それ見て「うわー!」って。
筧:びっくりした?
本多:はい。びびりましたね、あれは。そういうのが、ちょいちょいありましたから。
筧:ああー。
本多:何なんですかね? 魅力がある上で、ちゃんと演技もすごい細かいところまで気を配れてるから・・・。
筧:麻生さんは、ほんとにまさに、「若い女優さんなのに、たくさんの作品に出てる人」の、王道を行くタイプだったね。僕、何人かそういう人とやってるけど、みんなやっぱりすごく・・・変に、意見を固持しようとしない、というか。若い俳優さんの中には自信がありすぎるのか、聞く余裕がないのか自分の中でイメージが出来過ぎてしまってて。監督の意見や相手の俳優の出方を見る余裕がない人いるんですよ。でも麻生さんは、そういうタイプでは全然なくて「やってみて違ったらまた言ってくださいね」っていうタイプかな?と思いますね。
本多:だから僕ね、今回主演みたいなのをさせてもらって、始めはすごい「がんばろう、がんばろう」って思って、「こういう演技をやろう」って思ってたんですけど、でも途中から「この人と今一緒に演技できてる状況を、もっと楽しもう」と思って。麻生さんの演技とかを見てたら、そういう風になりましたね。
筧:その感じを映像の人たちは、瞬時に感じていくんだろうね。演劇はやっぱ、稽古の期間があるから、少しずつやっていけるじゃないですか。でも、映像の人は「セリフは入れてくるけど、一回考えて構築したものを捨ててくる」っていう人は多いよね。「監督が何を言うか、まだ分かんないから」って。撮影のクランクインの前って、まあ衣装あわせと、もう1回喋ってるくらいで、多くても3回くらいしか喋ってないんですよね。たかだか3回くらいでしょ? だから、その時に言われたことに、従順に従ったり、まあどうしても引けないところに関しては、言ってみたりとかっていう。
本多:それを映画の『サマータイムマシン・ブルース』の撮影のときに、瑛太くんが言ってて。「とりあえず色々考えてくるけど、とりあえず撮影のときは、全部捨てる」って。で、たぶんそういう「考えたこと」が、自分の血とか骨とか肉とかになってるから・・・。
筧:無駄じゃない、と。
本多:そう。で、考えられてなかったら、骨のままでやらないとダメだし、そこは開きなおるしかないし、っていうふうなことを言ってて。かっこいいなと思って。でね、1年くらい前、僕らがやってる「ショートショートムービーフェスティバル」っていうイベントの、一般予選の審査を筧さんにやってもらったときの話なんですけど。その打ち上げの席で、僕が「今一番やりたい俳優って、誰ですか?」って筧さんに聞いたら「瑛太くん」って。
筧:ええっ、言ったっけ。
本多:そうそう。それで、実際『ロス:タイム:ライフ』で、やってるわけじゃないですか。
筧:あ、言ってたんだー。
本多:それで、「うわこれ、すごいなー」と思って。言ったことを実現していってるし。
筧:まあね。言うだけは、タダだからね(笑)。運がいいと、言っておくと叶うからさ。そのときそう思ってるなら、言わないと。


筧:そういえば、瑛太くんとか仲いいの?
本多:瑛太くんは・・・まあー、忙しいし、なかなか会えないですけどねぇ。
筧:ムロさんとかは、仲いいの?
本多:ムロさんはもう、全然仲いいです。
筧:ムロさん、誰とでも仲いいもんな(笑)。
本多:いや、すごいっすよ。
筧:すごいよね。才能だよね。ほんと、顔ひろいよね。誰とでも仲いいもんなー。俺、どんだけ共通の知り合いがいるんだろう、って。
本多:ねぇ。すごい。
筧:あの人ほんと、監督とかやったらいいんじゃないかなー。あんだけ人脈があって。たださぁ、人脈はあるけどさ、誰に聞いても「またムロですか(笑)」って。いじられ方が同じだよね。
本多:ああーありますね(笑)。でも、それも才能ですよね。
筧:そう。なんだかんだ言って、嫌われてない。すんごい好かれてるかどうかは、分かんないけど(笑)、ぜったい嫌われない。
本多:いやー、そうそう。
筧:「ぜったい嫌われない」っていうのは、大きいと思う。人間的な魅力がある。
本多:ある。・・・ちょっと、次は何飲みますか?
筧:はやいねぇ。じゃあ、同じのを。
本多:いやでも、さっきこれウイスキーの「角」いったから、次は「ニッカ」いきましょうよ。
筧:ニッカいくか。
本多:ニッカのソーダ割りを2つ。
店員:はーい。
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