[ヨーロッパスタジオ]>[本多、すべてのバーで]


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本多:じゃあ、筧さんにとって、「いい役者」ってどういうのですか?
筧:出た! 伝家の宝刀だよねー。
本多:これは、聞きたい! 伝家の宝刀!
筧:でもこれ、言語化できるかな。難しいなー。ちょっとまってね、今、過去に一緒にやった人のなかで良かった人とか思いだしてるから。・・・まあ、強いて言えば・・・何だろうなー(しばし考え込む)。・・・やっぱりね、究極を言うと、「クリエイター志向」というか。
本多:クリエイター志向?
筧:カメラの手前側にも、来れるような人がいいね。
本多:カメラの・・・?
筧:俳優さんって、カメラに映されてる人たちでしょ? みんな。
本多:はい。
筧:そうじゃなくて、「こっち側にも来れる」くらいの人が。つまり簡単に言うと、監督の気持ちが分かる人。役者の気持ちだけで動かない人。
本多:ああー。
筧:「私が、私が」じゃなくて、作品全体を俯瞰で見て、自分にとって今回の役は、なにが大事かってことを分かる人。監督って結局さ、俯瞰で見てるからさ。「主役が一番大事」でも、「脇役が大事」でも「エキストラが大事」でも、ないんですよ。それぞれの役割全部が大事なの。それを分かる俳優さんが、いいよね。だけど、俳優さんは俯瞰で見てるばっかじゃないから。ワンシーンだけだったとしても、自分が気持ちをこめて、やるじゃないですか。そのときに、変に出しゃばったりとかしないで、「脇役は脇役で、抑えた演技をする」とか、「主役になったときはちゃんと、主張もしつつも、リアクションもできる」とか。簡単に言えば、「クリエイティブな感覚がある人」ですね。
本多:そっか、作品全体のことを俯瞰で見れる人が。
筧:見れない人も、けっこういるからさ。
本多:まじっすか。
筧:変に、目立とうとしちゃう人とか。
本多:ぶっちゃけて聞きたいんですけど・・・。
筧:誰がそういう人かって? それは言ったとしても、カット対象だよね(笑)。


本多:じゃあ、今まで一番良かった人は?
筧:やって、良かった人?
本多:うん。その中で、一番いい役者やなっていう人。
筧:あのねぇ・・・。僕が初めて一緒にやった、全国的に有名な俳優さんって、妻夫木(聡)くんなんですよ。だからそれは、比較してどうこう、っていうよりも、ファーストインパクトが強くて。3年前だから、僕が27歳のときに一緒にやった、妻夫木くん。
本多:『美女缶』(「世にも奇妙な物語版」)の時の?
筧:うん。そのとき妻夫木くんは、もうかなり有名になってて。もう、「映像の俳優」としての、立派な地位を築いてたから。だから当時僕が27歳で、3つ違いだから彼が24歳。そのときは、すごいなと思った。すごい短い期間でパッと入ってくる感じとか。あと、いてほしいところにいる感じとか。いいっすよ。うまいっすよ。
本多:上手い。
筧:うまい。ほんとにうまいと思いますよ。でもそれは「比較して」というより「1回目だったから」という感じ。
本多:・・・。
筧:そんな顔しなくていいじゃん(笑)。
本多:じゃあ、『かわい子くん』においての僕と、『美女缶』においての妻夫木くんの、違いについて聞きたい。
店員:(笑)!
本多:お店のかたが、むちゃくちゃ笑ってますけど。
店員:すみません(笑)。





筧:何だろうなー。ま、妻夫木くんと言わず、他の人も含めて・・・。
本多:そうそう、その「いい役者」と、僕との違いを。「おまえにはコレが足りないぞ」っていうのをね。筧さん目線で。
筧:うーんとねぇ・・・。これはでも本多くんに限らず、スタッフも含めて皆さん、「監督に対して、変に尊敬をしてくれる」というか。・・・嬉しいんだけど(笑)。でも、もっと疑ってくれてもいいのになぁって。けっこう監督さんって、考えて撮影に臨んでるんだけど・・・まあ、僕だけの話で言うと、全体を見すぎて「森を見て木を見れない」みたいなときもあるから。もっとこう、どんどん細部でアイデアを出してほしいというか。どっかちょっと突っ込まれたいっていうとこもあるから。そういう意味では、しいて言えば「こういうのどうですか?」って言うような。
本多:ああー。
筧:あっそうそう、『かわい子くん』で言うと、要潤がさ。要さんがやっぱ素晴らしいなって思ったのが、今回要さんって役の出番もそんなに多くなかったじゃないですか。でも一緒にやった数時間で、僕はまた要さんにお願いしたいなって思ったし。それはやっぱ、あのシーンですよ。あのアドリブは素晴らしいなって思ったんですよ。
本多:あれですか? 靴下をたたむやつですか? カットになったけど。
筧:それも、そうだし。それと・・・あれだ。「無理あったな」っていう。
本多:ああ!
筧:「やっぱ無理だなー」っていう本多くんのセリフを受けて、「やっぱ無理あったな」って要さんが言ったの。あれは本当は、僕が台本に書かなきゃいけないセリフ。すっげー思った。うまいなって。ああいうのは、どんどん言ってほしい。
本多:まじっすか。・・・くぁー、言いたかった!
筧:(笑)!
本多:要さんは、次やりたい人?
筧:いや、本多くんも、次やりたいですよ。
本多:ほんとですか? これほんとに? 今、ここやから言ってるんじゃなくて?
筧:ぜんぜん、ぜんぜん。本多くんと、要さんの兄弟ってぜんぜんあると思うよ。
本多:まじっすか。
筧:二卵性双生児の。
本多:(笑)!
筧:似てない、双子(笑)。



筧:でもさ、年が、要さんのほうが本多くんよりも下って、意外だよね。
本多:僕聞いて、びっくりしましたよ!
筧:大人だよね。
本多:いやでも、要さんそうとう面白かったですよ。やってて、そのアイデアとか。
筧:楽しかったねー。あの人ねー。
本多:だって、そういうのってもう、なんて言うのかなー。いわゆる「イケメン俳優」じゃないですか。僕のイメージとしては。なのに、うまいし、アイデアも出すし。そこがやっぱ・・・。僕、ブサイクやのに、アイデアも出さんかったらこれ、ヤバイなと思って。
筧:(笑)! 「カッコイイのにアイデア出す人」と、「ブサイクでアイデア出さない人」。
本多:どっちを選ぶって聞いたら、そりゃもう、明白ですからね。
筧:いやそれはもう、役に合う、合わないですから。ウマい、ヘタじゃないから。きれい、きたないじゃないから。
本多:ああー。でも、やっててほんとに面白かった。要さんも面白かったし、麻生さんも、いとうさんも。全員、面白かったですよね。他の古館さんとか、杉山さんとか中谷さんとか。
筧:芸達者が多かったよね。
本多:面白かったですよ。だから、ぜひまた、やらせてほしいわけですよ。
筧:じゃあ、「かわい子くん the movie」だ。
本多:「the movie」っすよ! 2時間。
筧:「レインボーブリッジを封鎖せよ」だ。「the movie」だけに。「かわい子くん the movie レインボーブリッジを封鎖せよ」。
本多:いやいや、それは。「the movie」の代名詞ですからね。それくらい、やりたいわけですよ。でも、またぜひ一緒にやってください。
筧:そうですよね。・・・まとめようとしてる?
本多:まとめようとしますよね、そりゃ(笑)。けっこうな時間、たってますから。





筧:いやでも、『かわい子くん』が放映されて、たまたまパッとテレビをつけて見たひとが、どう思うのかっていうのは、知りたいですねぇ。
本多:知りたいっす。
筧:なかなかねー。テレビドラマってその辺の評価が曖昧なまま、終わっていくからねー。映画のほうはやっぱ、みんな厳しいから、わりとなんとなく「この作品はうまくいったか、いってないか」っていうのが分かるんだけど。なかなか、テレビってねー。視聴率とかは出るけど、それだけじゃないからねー。お客さんの声が聞こえづらいからね、テレビは。
本多:上映会とか、しましょうよ!!
筧:何の?
本多:『かわい子くん』の。イベントとか。
筧:どこで?
本多:どこかで。
筧:それは・・・俺じゃないから。
本多:そっか。そりゃそうだな。じゃ、また次、ぜひ。またいつか、一緒にやってください。
筧:そうですね。
本多:また成長しますから。
筧:お互いね。
本多:だから、僕も筧さんが成長してなかったら「筧さん、ちょっと成長してないんじゃないの?」みたいなことを言いますしー・・・。
筧:ああー。やらしいわー。やばい、なんか言われそう、俺。
本多:いやいや(笑)! 僕のほうが、言われそうですよ。



筧:年内いっぱいは、『昭和島ウォーカー』が終わったら、終わりなの?
本多:あとは、カウントダウンイベントをやります。
筧:ああー。
本多:だから、ぜんぜん・・・筧さん用に、いつでもスケジュール空いてますんで。
筧:ねえー。そうですか・・・。
本多:・・・苦笑い、というか(笑)。
筧:いや、監督って意外と、そんなにたくさんできないからさ。なるべく関係性を・・・。「筧組」みたいなのを作っていきたいというのは、確かにあるから。
本多:じゃあもう僕、「筧組」の2番手くらいにしてください。
筧:でも実際、ヨーロッパ企画のなかで一番やってるのは、本多くんだもんね。
本多:そうですね。
筧:あと他のひとは、まんべんなくやってる感じだもんね。
本多:まあでも、ちょくちょく、普通に飲みに行ったりとか。
筧:でも土佐くんとはあんまり行きたくないな。
本多:そんな終わりかたなんですか!?
筧:(笑)!
本多:でも筧さん、土佐さんと同い年くらいですよね?
筧:土佐くん、まったく同い年か。土佐さん。
本多:おんなじ高校やったら、殴られてたでしょう、ぜったい。
筧:土佐さん、こわいもん〜。金髪だしぃ〜。
本多:金髪は、関係ないでしょう(笑)。あれは(『昭和島ウォーカー』の)役なんで。土佐さん、ふだんは優しいですので。
筧:あ、そっかそっか(笑)。



本多:じゃあ今度3人で飲みに行きましょうよ。「筧さんと飲みに行きたい」って言ってましたよ。土佐さん、飲めないですけど。
筧:あっ、そうなの? 『ロス:タイム:ライフ』とか、土佐さんをキャスティングしたのは俺なんだけど、組み合わせの問題で、けっきょく1回しか一緒にやってなかったからさ。ちょっとねー。悪いなーと思ってたんだけど。
本多:「喋りたい」って言ってましたよ。ぜひまた一緒に。
筧:永野くんは、他で売れてるから、いいよね。
本多:そうですね(笑)。
筧:いいよね(笑)。
本多:ぜひ、「本多・土佐」で。
筧:「本多・土佐」で。
本多:お願いします。ということで・・・。
筧:今日ね、遠くから見てたらね、この本多くんのボリューミーな髪がね、西村さんに見えた。
本多:そんなん、ぜんぜん聞きたくなかったですよ(笑)。顔が似てるから・・・。
筧:顔が似てるって言われるの(笑)?
本多:親子の役もやりましたからねー。
筧:やっぱ似てるんだー。
本多:目が細いところがね。でもそれは筧さんも細いから、ありえますよ。
筧:西村さんに似てるってこと?
本多:はい。「本多・西村・筧」ライン。
筧:(笑)! 3人兄妹だ。あれだ、『流星の絆』だ。俺が二宮で、本多くんが錦戸で、西村さんが戸田恵梨香だ。
本多:(即答で)ありえない!! ・・・今日はどうもありがとうございましたー。
筧:終了?
本多:ありがとうございましたー(笑)。



(11月上旬、収録)



―収録を終えて―
今回も酔っ払ってしまいました。なんかウイスキーのソーダ割りって飲みやすいなあというのを布団の中で思いながら寝たような気がします。
「かわい子くん」観た人どうだったのでしょうか?今回いろいろと具体的なことを聞けたのですごい勉強になりました。 (本多力)