[ヨーロッパスタジオ]>[本多、すべてのバーで]


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    (お酒到着、乾杯)

本多:じゃあ、3杯目〜。



水沼:そういえば本多くん、このあいだの『昭和島ウォーカー』は、どうだったの?
本多:水沼さん、見に来てくださったんですよね。
水沼:見にいきました。すごいね、楽しかったですよ。
本多:楽しかったですか。僕もね、やってて楽しかったんですよ。ああいう大劇場のプロデュース公演って、初めてだったんですけど。メンバーみんなで、出させてもらってね。
水沼:そう、まずヨーロッパ企画の人たちは当然なんですけど、参加した人がヨーロッパ企画の世界をすごく愛してるし、すごく「ヨーロッパ企画の芝居をやれる」っていう喜びが、みんなに感じられたんで。
本多:そうなんです、みなさん楽しんでくれて。
水沼:それがまず、はっきり「芝居の強度」として、ありますよね。
本多:そっか・・・「強度」になる。
水沼:うん。もともとヨーロッパの芝居の、もっとも強度があるところは、そこだと思うんで。「やってる人間が、楽しんでる」っていう。
本多:ああ〜。
水沼:で、そこにあるヨーロッパ企画の世界観を、観客として僕らは観てるじゃん。でもそれは、僕ら観客からは、ぜったい手の届かないとこにいて。それをもう、単純にうらやましいっていうところがあって。それはたぶん、井ノ原さんも、観客として同じ気持ちだったんじゃないかなと思うの。それが、そこに入ったと。井ノ原さんだけじゃなくて、他の客演のみなさんが「こっち側から越えて、自分の手の届くところに来て、自分がそれをやれてる」っていう喜びを持ってやれてる。それが、芝居としてすごく一体感がある。こういうの、あんまりないからね。だから、そういう幸せな芝居だったんじゃないかなぁと思いますけどね。
本多:わあ、そう言ってもらえたら、すごい嬉しいっすね。ほんとにでも、楽しかったです。みなさん、ほんとに楽しんでやって下さってて。で、僕らも楽しかったし。それでそう言ってもらって、お客さんも楽しんでくださってたら、ほんとに嬉しいですねぇ。


本多:でも、なんて言うんですかね、大きいところで・・・劇場も大きいし、座組みとしても大きいじゃないですか。
水沼:うん。
本多:そういうの、経験したことなかったから、いろいろ戸惑いとか、あったりしたんですけど。
水沼:そうやねぇ。でも、「初めて」っていうのも大きいと思う。僕もいまだに、大きい劇場に対応できなくて、それを悩んでるんですよね。
本多:でも水沼さん、さんまさんの『小鹿物語』とか、大きい劇場で出演されてますよね?
水沼:いやぁ、でも・・・悩んだまま終わりましたよ。
本多:ああー。
水沼:まあ、(中山)祐一朗なんかは、何か対応するじゃない? やっぱり、京都でこういう小劇場続けてると、どうしても「小さいところでの表現」っていうのに慣れてしまうし。自分の表現の空間の大きさっていうのは、どうしても、東京と比べて小さいところを設定してしまうし。だから、ああいう大きい劇場に出ると、すごい対応が難しいなぁ、と。
本多:へぇー・・・。
水沼:僕もすごい悩んで。「これだ」っていうのに、なったことがないんですけど。本多くんは、どういうところで悩むの?
本多:いやもう、水沼さんと同じようなことだったり。あとは・・・なんだろう、その、いわゆる「有名人」の方々が出てるじゃないですか? その人たちとの「距離感」とか。練習の合間とかに、どこまで踏み込んでいいのか、みたいな。そんなこと、考えなくていいのかもしれないんですけど・・・でも、そういう「関係性」みたいなのが、けっこう重要だったりするじゃないですか? 
水沼:うん、うん。
本多:でも、やっぱ座長で主演の井ノ原さんが、すごい気さくで、みんなをすごいまとめるっていう・・・なんか「まとめます!!」っていう感じのまとめ方じゃないんですけど、すごい気を遣っていい風にまとめて下さってたから、それはずごい、やりやすかったですね。
水沼:ねぇ。僕、井ノ原さん見てて「気負いが、ないなぁ」と思って。まず、井ノ原さんの演技が、「自分が主役」っていう感じじゃなくて、「ヨーロッパ企画の世界に入れた」っていうような嬉しさが出てるような芝居だったから・・・もちろん主役だし、目立つんだけどイヤミがなくて、すごい好意的に見れるというか。
本多:ああー、なるほどー。





本多:たとえばね、『小鹿物語』だったら、さんまさんが主演なわけじゃないですか。
水沼:主演だし、さんまさんの座組みに、僕はあとから入ったから。さんまさんがいて、生瀬勝久さんがいて、温水さんがいて。そういうところに入っていくからもう、アウェイもアウェイで(笑)。
本多:うわぁ、それは(笑)。
水沼:だから、本多くんの悩みとはちょっと、質が違うというか。
本多:そうですよねー。僕らは、劇団で行ってたから。
水沼:上田くんが、作・演出やし。
本多:そうかー。でも、うわさで聞いたんですけど、さんまさんって、ずーっと喋られるって。
水沼:いやぁー。あの人は、すごいですね。裏表なくしゃべる。舞台でもしゃべるし、楽屋でもしゃべるし。
本多:えー。すごいですね。
水沼:で、驚いたのが、開演の20分前にさんまさんが入られるんですけど、起きたばっかりで声が出てない・・・「(しゃがれ声で)おまえらもうあれか〜あの〜」みたいな。1時間後に本番やで、みたいな。でもずっと喋らはるねん。それで、ずっとしゃべって調整して、本番に声が出るようにする。
本多:本番、ちゃんと声出るんですか! わあー。
水沼:すごいなー、と思って。でもなんか、医者に言われたらしいよ。「喉を、200年分使ってる」と。
本多:200年(笑)!! 
水沼:喉は消耗品なのに、人の人生の倍以上、すでに使ってると。
本多:寿命の倍を使って。
水沼:今のさんまさんの年齢から言うと、4倍以上使ってる。そら、そうだろうなっていう(笑)。テレビで、すごい喋ってるじゃないですか。でも、テレビ終わっても、喋るらしいんですよ。裏表なくしゃべる。ほんとに、すごい人ですね。責任感っていうか、男気がすごいある人なんですよね。
本多:へぇー。
水沼:もう、ほんとに言いわけをしない・・・言いわけするようなこともないんだけど(笑)、ほんとにすごいなぁ、と。座長として、態度がすばらしい。やっぱり一流っていうのはこうなのか、っていう。まざまざと見せつけられました。



本多:じゃあ、4杯目は水沼さん、何を。
水沼:梅酒、いく? 「紅南高」は、どう?
本多:これ、梅酒なんですか?
水沼:南高梅だから。
本多:ああ。これ、行きましょうよ!
水沼:それか、「あらごし梅酒」か。
本多:じゃあ、僕ばあらごし行くんで、水沼さんが紅南高で、飲み方は、・・・じゃあおかみに聞きましょう(笑)。
水沼:おかみに(笑)。すいませんー。
おかみ:はーい。



本多:あらごし梅酒と、紅南高。飲み方は、何がいいですかね?
おかみ:ロックです。
水沼:あ、じゃあロックで。
本多:ダブルロックで。(手でWの形を作って)ダブリューで。
おかみ:ダブリューで(笑)。はいー。

    (おかみ、去る)

本多:・・・ちょっとこれ、おかみのハート掴んだんじゃないですか? 
水沼:(笑)!