[ヨーロッパスタジオ]>[本多、すべてのバーで]


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本多:じゃあじゃあ、4杯目。(ひとくち飲んで)ああー。ウーロンハイ。
大橋:飲みやすい(笑)。あ、よこちゃん、灰皿くださいー。
マスター:はい。(灰皿と、ライターを手渡す、マスター)
本多:あれ、このライター店の名前入ってる。
大橋:これ、「ろくでなしライター」っていうねん。タバコは、吸わへんの? ごめん、横で吸うけど・・・。
本多:いやいや。昔、宝ヶ池のプリンスホテルの朝のバイキングで、バイトしてたんよ。そのとき、むっちゃ怒られたことがあって、それで「なんやねん!!」ってめっちゃムシャクシャしてたら、お客さんが残していったタバコの箱を見つけて。捨てようと思って中を見たら、1本だけ入ってたんよ。それで、帰りみちにそれを吸ってみたんやけど・・・。
大橋:むせた?
本多:うん。吐いた(笑)。「みんな、なんで吸うんやろ」と思った。初めはむせたでしょ?
大橋:初めは、むせたなぁ。
本多:なんで、次吸おうと思ったん?
大橋:何やろうな。なんか、大人ぶりたい、というか(笑)。
本多:あぁー。でも「そういうものがあったらいいな」とは、思うわ。だってタバコって、僕で言ったらフリスクやもんな。
大橋:でもあれ、食べすぎたらおかしくなるやろ?
本多:うん、おかしくなる(笑)。
本多:でもさ、「京都の良さ」って何なんやろ?
大橋:何やろうねぇ・・・何か、「狭いとこ」ちゃう?
本多:「狭いとこ」やんな、やっぱ。
大橋:「京都って、狭いねー」っていうのが・・・けっこう好きやねん。

(と、そこへ近づいてくる女性客)

大橋:おお、みよいちゃん。酔ってるねぇ。あ、この子も劇団の子やねん。
本多:あ、そうなんですか。京都のかたですか?
女性客:はい、そうです!
本多:演劇してるんですか? 僕も、演劇してるんですよ。
大橋:「ヨーロッパ企画」っていう。
女性客:あ、そうなんですか! 大物ですねー。
本多:いやいやいや!! はじめまして。
大橋:この子は、「月蝕歌劇団」っていう・・・。
本多:え、えっ!?
大橋:知ってるん? 
本多:知ってる、知ってる! え、え、東京のかたなんですか?
女性客:行き来してます。
本多:ええー。すごいですねぇ!
マスター:これ。(チラシを手渡す)
大橋:あ、そうそう。これこれ。これに載ってる「341」っていうのが、みよいちゃん。
本多:あ、ほんまや!「341」で「ミヨイ」。へえ。うわー、また観に行かせてもらいますー! 覚えててくださいね。「吐夢くんの友達」って言います。
大橋:本多力くん、っていう人やから。
女性客:え?
本多:「え?」って何ですか(笑)!
女性客:ホンダチカコさん・・・?
本多:「チカラ」です。男です。どこまで、適当なんですか(笑)。
女性客:そっか(笑)。 
本多:ほんと、ぜひ観に行かせてもらいます。ありがとうございます。
女性客:おじゃましましたー。また!
大橋:・・・で、何の話してたっけ? あ、京都の話や。「京都は狭いね」っていうのが好きや、っていう。
本多:でも、そうやって言うひとって、(京都の)外から来たひとじゃない?
大橋:いや、実際に中に住んでて、の話で。何か知らんけど、「誰がどうした」とかっていうのが、話が筒抜けやねん。
本多:ああー。「村社会」的なとこがある、と。
大橋:うん、そう。それが例えば、僕らみたいに音楽をやってる人とかもそうやし、演劇をやってる人とかも・・・「分け隔てなく、狭い」っていうか。とくに、学生が多いから、そういう活動をしてる人が多い、とか。・・・うまく言えへんな。なんか、「ごった煮」な感じが。
本多:うんうん、分かる。京都って、関西の中でも特有よね? 大阪とも、兵庫ともまたぜんぜん違うし。
大橋:うん、ぜんぜん違う。
本多:でもさ、僕らが大学生のときって、吉田寮がすごい盛り上がってたやん?
大橋:もう、今はやってへんもんねー。
本多:ああいうのって、よかったよねー。え、メンバーは全員、京都に住んではるの?
大橋:うん、京都。
本多:いいよねぇ、京都。
大橋:でも僕ら、生まれて30年、ずっと京都にいるやんか? 京都を出ようって、思う?
本多:いやぁ〜・・・ムズいよな、京都出るの。
大橋:そうやんなぁ。なんか、ツアーで色んな地方とか行ったり・・・東京は一番よく行くんやけど、それは「たまに行くから、面白いなー」って思ったり。京都におることが、大事なんかなぁ。
本多:でも前に、キセルの辻村豪文さんと、この企画で喋ったときに話してたことなんやけど。「キセルがメジャーを一回抜けて、カクバリズムに入る」っていうのが、1年か2年あって、「その間に京都に帰ってくるっていうのは、なかったんですか?」って聞いたら、「それは、なかった」って。だから、「もしかしたら、東京は東京で面白かったりするんかなー」って。でも、「京都の面白さ」っていうのも・・・何なんやろな?
大橋:何なんやろな。まだ俺らも分かってないうちに、ヘンな渦に飲み込まれていってるんかも、知れんよね。奥が深いんかも。たとえば、ここみたいな店があるとか。音楽の人、演劇の人、映画の人が集まる。まあ、どこにでもあるのかも知らんけど・・・。特別な感じがする。
本多:ああー。するよねぇ。
本多:あ、そうや『GSワンダーランド』に出てたんやんな?
大橋:え、そんなことまで知ってるの!?
本多:知ってるよ、そりゃー。観れては、ないんやけど。役者をやったん?
大橋:役者っていうか、バンド役。
本多:バンド役で、演奏を?
大橋:うん、演奏をする役をした。
本多:どうやった? 役としてやってることは、今までやってきたことと同じ「音楽」やけど、メディアとしては、また違う分野やん? 「映画」っていう。そういうのって、どうやった?
大橋:めっちゃ、嬉しいし、刺激があった。「映画に出たこと」というよりかは、「その現場に立ち会えたこと」が、すごい刺激になった。
本多:へえー!
大橋:なんか、レールみたいなところを、カメラがガーって走っていったりとか、エキストラの人がいっぱいいたりとか。そういうのは僕らの世界では、ないことやから、すごい新鮮で。「映画って、こうやって出来ていくんやー」って。
本多:「役者をやってみたい」とか、そういうのは、ないん?
大橋:ええ? ・・・やりたいなぁ(笑)。
本多:まじでー(笑)!?
大橋:やろか。
本多:うわ、本音言った!!
大橋:いや、「なんでも、やらなあかんな」って思うねん。そりゃ、音楽が一番好きやから、「音楽をやりながら」やけど。例えば、永ちゃんとかも、やってたやん?
本多:『アリよさらば』出てたもんなぁ。
大橋:いろんなことに挑戦するのは、いいと思うねん。
本多:いいよねぇ。
本多:吐夢くんはさ、曲を書いたりはせぇへんの?
大橋:書くけど、ことごとくボツられる(笑)。
本多:(笑)!
大橋:作曲は、向いてないんやろうな。
本多:へえー。詩とか、書いたりせえへんの?
大橋:詩が、書けなくてねー(笑)。
本多:ええー。書けそうやけどなぁ。
大橋:書けへん書けへん。書けませんよー。
本多:まじでー。
大橋:なんか、中島らもとか、大槻ケンジとか、好きな人のマネみたいになってしまう。詩を書けるまでには、まだもうちょっと・・・年とらなあかんのかなぁ。
本多:そっかぁー。
大橋:でも、詩を書く人は「いっぱい書くことや」って言うね。
本多:「いっぱい」? 発表されないとしても?
大橋:うん。いっぱい書くこと。
本多:へえー。それは、なんでなん?
大橋:なんでやろ? とりあえず、思ったこととか、とりあえずノートにいっぱい書きとめて「これは、違う」とか推敲していって。で、できたものが、良かったり悪かったりするんやけど・・・。
本多:「思い」はあっても、いざそれを書いて形にしたときに、自分の「思い」とズレてたりするもんな。
大橋:するなぁ。
本多:やっぱそれって、書くことによって、一致したりするようになるんかなぁ。
大橋:うーん。俺まだ詩は書けへんから分からへんけど・・・(笑)。
本多:でも、曲は書くんや。
大橋:曲は、大学生のころやってたバンドのときは、ほとんど書いてた。
本多:そうなんや。作詞と作曲が分かれてるっていうのがすごい、面白いねぇー。
大橋:でも本来は、それが一致したほうが、いいんやと思うけど・・・。
本多:もしさぁ・・・僕は今、「ヨーロッパ企画」っていうところに所属してるんやけど、そこがもしなくなったらどうなるんやろう? っていう思いがあったりするわけやん? まあ、想像はつかへんけどさ、片山ブレイカーズがもしなくなったら・・・とか、そういうこと考えたりする?
大橋:うーん。なんかね、一時すごいそういうことを考えて、自分がクリエイティブになれなくなって。先のことばかり考えて、スタジオに入ってるときとかも「あー、こんなことしてて大丈夫なんかなー」とか考えてしまったことがあって。でも、それでは・・・なんか、「その日その日を、精一杯、何も考えずにその日のベストをつくす」っていう。・・・キレイごとやで? なかなかできひんことやけど、でも、気持ちはそうありたいって思って。それはなんか、音楽とかだけじゃなくて、人と喋ってるときでも「ベスト」じゃないけど、なんか、いい感じに・・・。
本多:うんうん、なんか、打算とかなく。
大橋:そうそう。
本多:詩、書けるやん! 今の話で詩、いけるやん!
大橋:まじでー(笑)。でもなんか、あまりにも「フォーク」じゃない? 
本多:ほんまやな(笑)。
本多:高校のときにさ、Nさんと付き合ってたん?
大橋:出た!
本多:それを今日、聞こうと思ってたんよ。
大橋:僕のなかでは、付き合ってたと思ってて。デートの約束をして「京都駅のどこどこで、何時に」って待ち合わせをして・・・3時間待って、来なかった(笑)。
本多:ええー!!
大橋:でも、待ってん。そのときって、連絡手段がないやん?
本多:今みたいに、携帯電話もないもんね。
大橋:ただ、待つしかないし。で、「もしかしたら、俺が待ち合わせ場所を間違えてんのかなー」って、ウロウロしたりとか。Nさん、かわいかったやろ?
本多:かわいかったんよ! 中学のときは地味やったんやけど、でも「この子はかわいくなる!」って思ってたんよ。そしたら高校で垢ぬけて。いいな、って思ったら「吐夢くんと付き合ってる」みたいな噂になって。うわぁ、いいなーって思ってたんよ。
大橋:でも結局、それ以降は・・・。
本多:「3時間」以降は・・・。
大橋:知らない。
本多:(笑)!! そうそう! Nさんって、イコマくんと駅が一緒やったんよ。小学校か中学校も一緒で。
大橋:あー、イコマくん! ペットショップやっけ? 何やっけ? ペット病院・・・?
本多:動物病院(笑)? 「ペット病院」って言ったら、とたんに軽くなるから。
大橋:そう(笑)、動物病院やったんやんな?
本多:そう。そのイコマくんの弟も演劇やってるんよ。
大橋:あ、そうなん!?
本多:今はやってるかどうか分からんけど、東大かどこかで、演劇やってて。会ったことはないんやけど。
大橋:へえー!
本多:なんか、いろんなとこで繋がるなーと思って。下北沢の駅降りてすぐの、和民のビルの上のとこに、いつもよくやってる劇場で「駅前劇場」っていうところがあるんやけど、そこで結婚式とかしたんやって。
大橋:あの、高架越えたとこ?
本多:南口出てすぐのとこ。マクドのとなり。
大橋:ああー! あんなとこに劇場があるんや。
本多:うん、あるねん。吐夢くんは、下北やったらどこでライブやるん?
大橋:下北沢やったら、「CLUB Que」。
本多:あ、マンガ喫茶があるとこや。
大橋:そう。マンガ喫茶と、ファーストキッチンと・・・。
本多:サイゼリア。
大橋:そう(笑)。
本多:そのライブハウス以外やったら、全部行ったことあるわ(笑)。サイゼリアとフォーストキッチンと、マンガ喫茶。あのマンガ喫茶は、お値打ちやから。
大橋:お値打ち(笑)。「本多劇場」って、あるよね?
本多:うん。僕、漢字も同じなんよ。
大橋:あ、「多」のほうやもんね。あと、奥のほうにも劇場があるやんね?
本多:「スズナリ」?
大橋:うん、そう。
本多:「スズナリ」は、やったことあるんよ。
大橋:あの劇場は、有名な人も出てるよね?
本多:うん。柄本明さんとか。
本多:やっぱ、ツアーって楽しい?
大橋:楽しい! だってさ、普通では・・・栃木県とか行かんやん? 栃木県の人に悪いけど(笑)。
本多:いや(笑)、悪いけど、行かへんもん。吐夢くんは、行ったんや。僕、栃木で公演やったことないから、栃木県自体行ったことないもん。
大橋:けっこうもう、日本全国あちこち行ってる。
本多:いいなー!
大橋:で、やっぱ楽しみっていうのは「その土地の、おいしいもの」。「おいしい」って言っても「高いもの」とかじゃなくて「庶民的な、おいしいもの」が、食べれたり。打ち上げとかで、向こうの若い子らと一緒に飲んだりとか。
本多:あ、楽しいよねぇ。
大橋:うん。それがまた、刺激になって、想像力がふくらんだりとか。
本多:うわあー。ちょっともうー。楽しいわぁー。まさか、同級生とこういう話をするとは・・・たぶん吐夢くんも思ってないやろうし、僕も思ってなかった。
大橋:俺も思ってないよー。
本多:でも正直、今「吐夢くん」て呼んでるけど、小学校のときは「おおはっさん」って呼んでたからな(笑)。
大橋:なんでやろな(笑)。「吐夢くん」で、ええよなー?

(話を聞きつけた、マスター)

マスター:大学の同級生なんですか?
本多:幼稚園から、一緒なんです。
マスター:あ、そんなに小さいときから。
本多:あ、小学校の卒業アルバム持ってきたんですけど、見ます?
大橋:うわ、そんなん持ってきたんやー。

(しばし、アルバムを見る3人)
本多:またじゃあぜひ。お互いのラジオを行き来とか。
大橋:ねえ。もしよければ、劇団とバンド単位とか、一緒に何かできたら。
本多:ほんとや。僕ら1回「シュガーフィールズ」とは一緒にやったことがあるねん。
大橋:「マーガレットズロース」も一緒にやってるやんな? あ、楽曲提供か。あと「ghostnote」も、やってるやんな?
本多:「ghostnote」も、やった。WebCM作るの。
大橋:僕、両方とも仲いいよ。
本多:まじで! へえー。また、ぜひ。
大橋:よろしくです。
本多:よろしくです。こんなところで・・・。
大橋:あ、もう大丈夫ですか? ぜんぜん、なんかグダグダしてたけど・・・。
本多:いやいや! 正直、「こんないい話を、吐夢くんから聞けるとは」っていうくらいの話を聞けたから。
大橋:「食パンマン」以外も(笑)。
本多:吐夢くんが幼稚園のとき書いた「食パンマン」みたいな絵本が、むっちゃ面白かったっていう(笑)。ほんま、「食パンマン」押しで、いこうかなって思ってたけど、いろんな話が聞けたから、よかった。
大橋:ほんま? ありがとうございますー。
本多:ありがとうございましたー。

(1月下旬、収録)

―収録を終えて―
吐夢くんと初めてお酒を飲みました。幼稚園から知ってるので変な感じでした。そしてこんなにゆっくり話したのは小学校以来かもで楽しかったー。
話してて、吐夢くんの話し方や考え方とかから、大人になったなあと、いい年のとり方してんなあと思いました。願わくば、僕も少しでもいいから吐夢くんにそう思われてたいなあと思いました。
(本多力)