#15 トランスポップギャラリー

みなさん、アメコミって読んだりします?
「スパイダーマン」や「バットマン」「アベンジャーズ」シリーズの映画のヒットの影響でコミックスの方にも手をのばす人が増えてきたように思います。実際、毎月に出るアメコミ翻訳本の点数も数年前とは比べものにならないくらい多数で、ちょっとマイナーな作品も翻訳されたりして、アメコミファンには嬉しい状況の昨今なのです。

しかし、アメコミはいわゆる全身タイツのヒーローが活躍するだけのものだけではありません。
鬱屈した田舎の若者の日常や、青春時代をこじらせた中年男のさえない日々や、ドラッグをキメた時にしか見えない風景などを描くようなオルタナティブ・コミックといわれる作品もたくさんあるのです。大雑把にいってしまえば、日本でいうガロ系といわれるようなものでしょうかね。(実は最近のメジャーなアメコミのヒーローたちも何かしら悩みやトラウマを抱えて病んではいるのですが…)

そんなオルタナティブ・コミックを代表する作家で僕も大好きな、ダニエル・クロウズは「ゴーストワールド」で有名です。
高校を卒業しても就職せずプラプラしてるニートな女子二人の日常を描いた作品で、かっこいいヒーローや凶悪なヴィランも登場しません。ニート女子が近所に住む変人の陰口を言い合ったり、急にオシャレデビューしたもののダサかったり…アメリカにだって日本と同じくイケてないやつらがいることが分かります。この作品はのちに映画化されてヒットしました。

その「ゴーストワールド」を日本で翻訳・出版した会社が「プレスポップ」です。
いまでは大御所になったダニエル・クロウズをはじめ、ジム・ウードリング、エイドリアン・トミーネなど、日本ではまだ紹介されてなかったころからオルタナティブ系作家の作品を翻訳・出版してくれていた会社なのです。
最近では、話題の「ヒップホップ家系図」の出版も手がけ、好事家たちを身悶えさせています。

ずいぶん遠回りをしてしまいました。
今回ご紹介する「トランスポップギャラリー」は、何を隠そうこの「プレスポップ」の代表のひとりである山田さんが運営されているギャラリーなのです。
このオーナー山田さんの人脈によるギャラリーの展示ラインナップがすごく独特で、前述のオルタナティブ系の作家はもちろん、日本のまさにガロ・アックス系の作家さんもよく展覧会をされています。他にもイラストレーターやデザイナー、ミュージシャンなどジャンルは多岐にわたります。
具体的に名前をあげますと…安齋肇、白根ゆたんぽ、小田島等、朝倉世界一、逆柱いみり、佐伯俊男、キングジョー、花くまゆうさく…このあたりの名前にピンと来た方にはもう完全にオススメです。
ヨーロッパ企画がお世話になっている、本秀康さん、かせきさいだぁさん、しまおまほさんもここで展覧会をされています。
また必ずといっていいほど、会期中に作家さんの在廊イベントも開かれているので、ご本人の貴重なトークなどが聞けたりもします。

嗚呼、「ゴーストワールド」の出版の経緯や、ギャラリーの場所が元・コミックショック一号店だったことなど、山田さんにお聞きした面白いお話がたくさんあるのですが、紙幅というのか電幅が尽きてしまいました。

とにかく京都は出町柳に来たら「トランスポップギャラリー」をのぞいてみましょう!!

(2015.9.11)

京都案内人:角田貴志

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[トランスポップギャラリー]

場所:京都市左京区田中関田町22-75
TEL:075-723-1780
www.trancepop.jp
▼プレスポップ▼ www.presspop.com/jp/

※定休日等詳しい情報については各スポットへお問い合わせください。

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