[ヨーロッパスタジオ]>[かせきさいだぁ≡×上田誠 SFエンディングテーマ会議]>[第1回]


第1回
 
上田:エンディング曲をお願いするにあたりましてですね、「サウダージ」のこととか、SFのこととかをいろいろお話ししておければと思いまして。
かせきさいだぁ≡(以下、かせき):うんうん。
上田:かなりSFっぽい作品なので、SFアニメのエンディング曲っぽい…どういうんですかね?(笑)。
かせき:SFアニメのエンディング…バラード調っていうかね、ゆったりしてるよね、わりと。
上田:最初はちょっとこう、ガリガリ。
かせき:ガリガリ元気なやつだから。終わりの歌は…。
上田:終わりは、包むやつ(笑)。
かせき:包むやつ。「母へ…」みたいな(笑)。
上田:エンディングはだいたい…「母なる星屑の海の」どうこうとかそういう。
かせき:「振り向かないで」とかね。
上田:重い感じですよね。
かせき:オープニングはこう、子どもにプラモデルとか超合金とか買わせようとしてるような曲で(笑)。
上田:(笑)。
かせき:終わりの曲はあれなんよ、制作者の…。
上田:もうちょっとこう、テーマ的な。
かせき:そうそう、テーマ的なことをやるんじゃないかな、きっと。
上田:それでいうと、この「衛星都市サウダージ」は、こないだやった「Windows5000(※1)」と、同じ世界背景を持ってまして。
かせき:うんうん。
上田:地球が人口多くなって、勢い余って宇宙に進出した頃の話で。「Windows5000」は、地球に残る人たちの話なんですけど、「サウダージ」は、惑星アルカディアっていう新天地に移住する人たちの、まあ宇宙船の中のロードムービーなんですね。なので、作品的に対をなしている感じのものなんですが。
かせき:(「Windows5000」の)あそこにいた人が行くってわけじゃないの?
上田:…ではないんですよ。けど、あの中の何人かが宇宙船に乗っててもいいかな、っていうつながりもありつつ…。
かせき:あ、そのまま行ってるのもいるんだ。それいいね(笑)。
上田:で、テーマ的なこととしては…SFでよくある「航路から外れてしまって、ずっと宇宙を漂い続ける怖さ」みたいなのってあるじゃないですか。
かせき:はいはい。
上田:ああいうヒヤッとするムードとか…あと、けっこうだらしない人たちも、「宇宙にいけてラッキー」みたいな感じでゾロゾロ乗ってたりするんですけど、それに対して宇宙局側の人は「こんな訳のわからんやつらが宇宙に来るの嫌なんだよ」みたいな思いがあったりとか…。
かせき:すごいね、けっこうハードなんだね。設定は。
上田:でも、実はその辺の心情的なことは全然、表立っては語られなくって、劇中映像のモノローグのみでチラチラ綴られていく、っていう。なので、表面的にはくだらん会話がずーっと交わされてるだけなんですけどね。
かせき:でも、わりとハードを貫いてやる作品なんだね。そういうとこに挑むのも面白いもんね。
上田:それに、二十歳の頃に挑んで(笑)、挑みきれずっていう。そうなんですよね。今回けっこう、初演の時にわりとマジに書いてたエピソードが…。
かせき:今見ると?
上田:今見るとねえ、冗談としか思えないものが…(笑)。
かせき:若い時はそういうの、真剣に書くけどね(笑)。
※1…ヨーロッパ企画第20回公演作品。人口増加のおり、超集合住宅にぎっしり住んでる人たちの話。
上田:そうなんですよ(笑)。そういうのを書き直すかどうしようかなって感じなんですけど。残してもいいっちゃいいかなって…その、ギャグでもないですけど、SFの道具として。
かせき:あ、そうか。そういうのさ、SF風のアニメとかで、基本的にあったりするもんね。
上田:ええ。なので、今回はもう、そんなんも含めて、「ザ・SF」みたいな感じでいこうかなあ、と。あんまり深いとこ狙いすぎても…。
かせき:ああそうそう、女の子ねえ、全然SFさっぱり分かんないじゃん(笑)。そこだよね。
上田:あーそうなんですよ、そこなんですよ(笑)。
かせき:男がSFのぐっとくる部分って、女の子にはちんぷんかんぷんなのね。女の子は時代劇とSFは分かんないでしょ(笑)。
上田:何でですかね、SFモノじゃない方が喜ばれる感じっていうのは何なんでしょうね。
かせき:もうSFっていうだけで拒絶反応が起こるじゃないかな。
上田:機械の感じなんですかね。
かせき:SFを舞台にして、普通のことをやるだけなのに、「SFをやるんだ」って思っちゃう。
上田:あぁ〜そうなんですかね。
かせき:だって、別に何でもいいじゃん。例えば、時代劇だって観るし。でも急に女の子なんかは時代劇になると、「時代劇だったらちょっといい…」みたいな。
上田:あぁ、そうなりますよね!それと同じ感じなんですかね。僕も時代劇だめなんですよ。
かせき:別に、時代劇って言っても、「当時はこんなんだったんだ」っていうのを見せる訳じゃないでしょ、実は。設定を借りて、普段の人間関係の話なだけで。ただ、「そこで斬るの!?」っていうので面白くしているんですよね。今の日本だったらクビになるところを「斬るんだ!?」っていってびっくりさせるんですよね。
上田:「現実と接点がないと」っていうことなんですかね。
かせき:そうなんじゃない?きっとね。…不思議とね。
上田:そうですね。確かに。
かせき:僕も割とそういうのがなくなってきたかな。分かってきて、結構色々見れるようになってきた。
上田:やっぱり普遍的な歌が人気あるんですか?
かせき:そうそう、そうだよ。だって、売れてる歌でSFとか時代劇が舞台になってるのってないでしょ?あと、特殊なポエムチックな曲とか。やっぱり多くうけるのも、凄く普通な感じで、普通で凄いのが。
上田:そうなんですよね。ヨーロッパでも青春とか、暮らしぶりとかを(芝居に)すると、広く入りこんでもらいやすいんですよ。
かせき:う〜ん、そうだね。Baby&CIDER≡(※2)をやりはじめたのも、年とって、歌詞が30代の世界観になってくるんですよ。彼女とあった事を歌詞にすると。でも聞く人は20代だったりするし、「どうしようかな」とちょっと思って。でも、「そういや全員学生だったじゃない」と思って。
上田:あはは。
かせき:「僕も学生だったし、皆学生だったんだな」って。学生の心に舞い戻って、歌詞を作れば、とりあえず皆が「あ、そんな事あった」ってなるし、、今学生の人は「本当、そうそう。」みたいな。それで、試し、みたいな感じだったんだけど、学園モノっていうのをきっちりやるっていうバンドをやってみようかって。
上田:あぁ〜そうなんですか。まあ、今回は、残念なことにバッチリSFなんですけど。
かせき:(笑)
※2…かせきさいだぁ≡・ワタナベイビー両氏による青春ポップデュオ。
 
←企画TOPへ戻る        第2回→

スタジオTOPに戻る