[ヨーロッパスタジオ]>[かせきさいだぁ≡×上田誠 SFエンディングテーマ会議]>[第5回]


第5回
上田:ただ…(笑)。あ、でも元々のそういう王道をこするってのもあるんですよねぇ。この芝居の作り方自体がそういう、「冷たい方程式」(※1)っていうSF小説をちょっとこすってたりとか…。
かせき:あ、そういうのがあるの?
上田:「冷たい方程式」っていう短編があって。二人の会話劇なんですけど。宇宙線の貨物船に密航者の女の子が乗り込むんですよ。で、乗り込んじゃって見つかるとこから始まるんですけど、要は向こうに着くまでの燃料だか酸素だかが一人分しかなくて、連れて行くことができなくって、その女の子を船外に捨てないといけないっていう…実は宇宙は厳密なもんなんだよ、みたいな。それを諭すだけの話が…諭して外に出すまでの話…。
かせき:え、出させんの?
上田:はい。そういう話を書いた人がいて。「冷たい方程式」っていう、その話だけ有名な人なんですよ。後々それですごい、オマージュ作品としてなんか「解けない方程式」とか、お互いの体を切って減らすことによって酸素の消費量を減らして、いけるとか…そういうパロディみたいなのがいっぱいできたりして。「方程式もの」って言われる…。
かせき:そんな世界があるんだ(笑)。方程式もの…(笑)。
上田:一応そういうのを(劇中で)踏襲してたりするんですよ。ちょっとしょぼくアレンジして。それとか、結構ね、「ワープ」とか出てくるんですよ、確信犯的に。「ワープ」とか「宇宙ステーション」とか、「テラ・フォーミング衛星」とか、言わんでいいのに、なんか…(笑)。
かせき:そういう言葉を織り込んでくのね(笑)。あ、それおもしろいねぇ。
上田:言わんでいいのに、「なんとかシティの何億何番地です」みたいな(笑)。
かせき:そういうのおもしろいもんね。あー、じゃあもはやラップでもなくなるかもしれない(笑)。
上田:あ、でも最近(の曲)、そうですよねぇ。
かせき:そうね、歌もの多いしね。
上田:半々ぐらいですか?
かせき:うん。まぁ一応ね、Baby&CIDER≡以外のはラップをやるってことにはしてるんですけどね。Baby&CIDER≡はもう、歌ですからねぇ。歌いすぎてどんどん歌がうまくなってきちゃいましたね、最近。
上田:でも、かせきさいだぁ≡の、初期のころのやつ…。
かせき:も、歌あるでしょう。あれ、もうギャグなの。
上田:(笑)。
かせき:「ラッパーのアルバムに歌が入ってるって何?」っていうギャグなんだよね。
上田:あ、そうなんですか…(笑)。
かせき:凄い早くからそういうギャグをね…。曲もいい、ってのもあるんだけど。普通だったら、ラップのアルバムだからこれ入れなくてもいっかとか思いそうだけどね。それもばりばり入れるっていう…。
上田:2枚目なんか2曲入ってますもんね。
かせき:2曲入ってる。
上田:しかもシングルカット(※2)…。
かせき:シングルカットしてる(笑)。
上田:(笑)。
かせき:そう、それもギャグだったの。「次のシングル、歌?!」っていう。ラップの途中で歌になるっていう曲もあったから、「そういう曲かな?」って思って聴いてると、最後まで歌で終わるっていう…(笑)。「ラップないじゃん!」って…。
※1…トム・ゴドウィン作のSF短編小説。
※2…「午後のパノラマ」。キリンジの堀込高樹氏が作曲。
←第4回        第6回→

スタジオTOPに戻る