(シアターガイド熊井)
永野宗典 徹夜明けのウォーキング。日射しがとても痛かった。日射しをシャットアウトするために半眼、皿の目でウォーキングする。寝不足で不機嫌で超ローテンションだったけど、不思議なもので、仏と同じ眼差しでいると、荒れた気持ちがスーッと和らいできました。っていうか歩きながら、半分寝てたんだと思います。ねるウォーキング。帰ったら速攻寝てやると思いながら、モーニングをいただきました。振り返ってみると、ずっと寝ることばかり考えてた気がします。睡眠乞食でした。 |
本多力 日本がデンマークに勝利した朝。やはり頭に浮かぶのは W 杯のこと。本田点決めたなあ。そういえば最近よく自分の名字の漢字、本多を本田に間違われるなあ。これも W 杯効果だなあ。鴨川気持ちいいなあ。ファーストキスも鴨川だったなあ。汗出てきたなあ。帰ったらシャワーしてちょっと寝ようかなあ。シャワーせずに寝て、起きてからシャワーしようかなあ。シャワーして寝て起きてからまたシャワーしようかなあ。帰ってから考えればいいなあ。 |
酒井善史 今日は諏訪さん、永野さん、僕がメガネ。今次回公演 『 サーフィン USB 』 の稽古を毎日やってるけど、いやメガネとサーフィンって相性悪いよなあ、と。なかったらやっぱりいろいろ見えなくて困るし、つけてたら曇ったり水滴付いたり流されり、もう波間でメガネメガネってなったら最悪だし。元水泳部としては、度入りの水中メガネつければと思うけど、水中メガネのサーファーってあんまりイメージじゃない気がする。遠くの波とか海とか見てたらそもそも目悪くならないんだろうか。 |
諏訪雅 ほぼ徹夜明けの朝、この連載がなければ行かないはずだったウォーキングだけど、連載がはじまった手前、この日しか行けそうにないので、精神的体力的にもグダグダながら、半強制的に歩いた。ゆっるーく。いつもキラキラ見える鴨川もただ泥水が流れてるだけで、亀石とかのいつもならはしゃぐポイントもしれーっと通り過ぎ、何も考えずただボーッと歩く、これぞ「ゆるウォーキング」の真髄だな、ふふ。と思いながらこのまま鴨川に浸かりたいと思った。 |
諏訪:忙しいなぁ。
本多:でもそういう、忙しい時こそウォーキングをやる……。 永野:ゆとりやからね、大事。 諏訪:忙しい、からこそ。 本多:からこそ! 永野:からこそ。逆に。 諏訪:この前のね(連載)……見た? 永野:見た見た見た。 酒井:見ましたよ。 諏訪:あの、あんまり面白く……(笑)。 永野:(笑)サービス精神がなかった。 酒井:普通の会話を。 諏訪:テープおこしして読んでみたら、なんにも面白くなかったんやけど。 永野:いやぁ、確かになー。 酒井:何にもない会話でしたもんね。 永野:あまり、字になることを意識してなかったなー。 諏訪:まあな。趣味やからな。 永野:趣味。そうそう。 諏訪:いや面白いよ、その……雰囲気はね。 本多:雰囲気? どんな? 諏訪:「なんやこれ」っていう。 酒井:(笑)。 本多:「なんやこれ」感。 諏訪:「なんの会話しとるんや」っていう。 永野:まぁなー。 諏訪:でもウォーキング自体そういうもんやからなぁ。 永野:なるべく頭も使わんようにしてたからなぁ。 諏訪:ゆるーくいこっか、もう、なぁ。 本多:そうですねぇ。 酒井:“ゆるウォーキング”ですからね。 永野:そういう読み物があってもいいかもしれないですね。“ゆるさ”を読ませる……“ゆるモノ”。 酒井:感じてもらう? 永野:そう、感じてもらう。“ゆるさ”をね、感じる文章。 諏訪:昨日なんて、ほとんど24時間労働でしょう? 永野:うん、24時間労働。 諏訪:24時間労働のうち、最後ギリギリ4、5分サッカー観て。で、ちょっと寝てウォーキング。 永野:うん。 諏訪:「もう、ウォーキングええかな」とか……。 永野:そうは、ならん。 酒井:そこはね。 諏訪:本多くんも公演中で。 本多:そうですね。今日も、このあと。 永野:今日、本番やもんね。 本多:本番。 諏訪:「本番あるのにウォーキング来なくていいよ」とか言ってるのに、もう……。 永野:ね、優先順位が。 諏訪:「いや、行きます」って。 本多:やっぱ、これでウォーキングしないで本番ってねぇ。 永野:気持ち悪い? 本多:気持ち悪いですよ。 諏訪:そういう体になってるんだ。 本多:ウォーキングして、仮眠とって。 永野:ちょい仮眠。 酒井:仮眠は、挟むんですね。 本多:ウォーキング後の仮眠ほど気持ちいいもんはないですよね。 酒井:確かに。 本多:ウォーキング、モーニング、仮眠。 永野:太る……(笑)。 諏訪:モーニング、仮眠、昼飯やからな。 酒井:起きたら昼の時間(笑)。 永野:朝日をむっちゃ浴びてても、帰ったら眠かったり。 酒井:まあ、ねぇ。 永野:いやぁ、贅沢やなぁそれは。 本多:コーヒー飲んでるからねぇ、ちょっと寝たら、目覚めむっちゃいいでしょう? 永野:いやほんと、すっきり目覚められるね。コーヒー飲んで。 本多:僕、言ったかも分からないですけど、ここバイトの面接来て落ちましたけどね。 永野:あらっ。 諏訪:えっ、ここにバイトの面接に来たん? 本多:だいぶ前に。 諏訪:「アカン」と。 本多:全然アカンかった。 諏訪:「気持ち悪い人は入れたくない」と。 本多:そんなことは、言ってないですけど(笑)。 永野:「演劇をやってる」っていうことで? 本多:あっ、隠してました、絶対。 |
永野:じゃあもう、素材でアウトやったんや(笑)。
酒井:条件は、普通やったわけで。 永野:確かに本多くんがここにいると、怪しい喫茶店になるもんなぁ。 本多:ならないっすよー。 永野:すごいゆかりあるやん。 永野:来たっ。 店員:失礼しまーす。 本多:うわー。 諏訪:いやーいい匂い。 永野:アイスコーヒー。おいしいぞこれは。 諏訪:おいしいんよ、何かねぇ? 酒井:水出しのねぇ。 永野:水出し。……アイスコーヒーうまーい。 本多:うわぁーこれ堪らんですね、表面の。 永野:真ん中のねぇ、贅沢な。柔らかいとこだけのトースト。 本多:うわ、おいしっ。 永野:いただきまーす。 諏訪:……かわいいよね。 永野:かわいいよ。パンからいこう。 諏訪:うん……いいねぇ、朝日が差し込んで。いい光だわ。この、パンの耳をどうするかっていうね。 本多:ね。 諏訪:いかに上手く食べるか。 永野:うん、残しがちやけど。 酒井:うまっ。 永野:朝食べるサラダはおいしいね。 諏訪:そうだね。 永野:ちょうどいいよね。 諏訪:なんでここ、これを器にしようと思ったんやろうね。 永野:ねぇ。 本多:アイデアやなぁ。 永野:うん、アイデア。 本多:やっぱ、耳も食べるんですか? 永野:前来た時は食べちゃったもん。 酒井:食べましたねー。 永野:ああ、うまい。キャベツの千切り具合が、細いね。 諏訪:細い! 永野:すっごい、これはうまい。酒井のカフェオレ、綺麗やね。グラデーションが。 酒井:たまたま、あんまり混ぜなかったから。 本多:でも珍しいね酒井、コーヒー飲むの。 永野:いつもはミルクか紅茶やろ? 諏訪:なんで? 酒井:いやなんか、水出しコーヒーがおいしいって聞いて。 永野:違いの分かる男。 酒井:そうですね。 永野:違いを楽しむ男。 本多:おいしい? 酒井:うん。まあ、正解でしたね。 諏訪:でもミルクがあったら、ミルク頼むやろ? 酒井:うーん……朝、牛乳を飲まんとなんか調子悪いんですよ。 諏訪:あら。じゃあ今日は調子悪いね。 酒井:いや、またこの後ウォーキングあがりで飲むんで。 諏訪:あ、じゃあそれまでは調子悪いんやね。 酒井:いやまぁ飲んだらすぐ、調子良くなるっていうわけじゃないんで。まあトータルでなんとなくね、あるじゃなですか。 諏訪:じゃあ帰って飲んだとしても、しばらくは調子悪いんやね。 酒井:いやそんな、薬じゃないんで(笑)。一日のサイクル的な何か……。 諏訪:はよ食え、おまえ。 酒井:すいません(笑)。 本多:諏訪さん、もう耳とサラダだけや(笑)。 諏訪:そうなんよ。耳用のサラダやから、これは。ドレッシングたっぷりの。 永野:(笑)。 諏訪:暇やから耳食おう。 酒井:「暇やから」(笑)。 諏訪:うん、うまいなぁ。キャベツにせよポテトサラダにせよ、きめ細かいわ。この辺に住んでたらもう、毎日来るやろうなー。 永野:うん。うまい。 本多:(店員さんに向かって)これ、サラダをパンの耳で囲んでるのって昔からなんですか? 店員:そうですね、はい。……はい。 本多:……コミュニケーションの失敗。 永野:どうやって聞いたらもっと話弾んだんやろうな。「これ、いつからやってるんですか」かな。 本多:まず、いきなり話しかけたんが(笑)。「すいません」とかって言うべきでしたね。声量で呼び止めましたもんね。 酒井:ちょっと力ずくでしたね(笑)。 永野:「面接落ちた奴に話しかけられた」っていう。 本多:いや、あの人知らないでしょう。 |