
(シアターガイド熊井)





| 永野宗典 一歩一歩、京の街を足の指でじっくりと踏みしめ、まだ見ぬ至高のモーニングを求めて、いつもに増して感慨深いウォーキングとなった。とは言え、もはやウォーキングは生活の一部だ。連載の終りと言えど、これからも健康と美容と思索の歩みを止めることは無いだろう。メロスも、芭蕉も、デューク更家も歩き続けることで、内観し、己を、人生を、深めて行ったのだ。二足歩行で進化して行った人間に与えられたかけがえのない「業(わざ)」なのだ。一生手放すものか。ただ無茶苦茶眠かったな毎回。帰宅後の至福の二度寝もゆるウォーキングの醍醐味だった。 |
本多力 朝の5時頃、東京から車で帰ってきて少し寝てからのウォーキング。こんな寝ぼけた頭で酒井をうまく騙して新居に押し入れるのか?やばい。だからと言って緊張もしない。雑になってる。酒井に関して明らかに雑になってることを実感しながらのウォーキング。そう言えば何年かぶりに来たこの辺りの風景が前とは変わってる。「時間」を感じる。あぁこういうのウォーキングの楽しみだなあと最終回で再認識したりした。人生って感じがした。 |
酒井善史 諏訪さんが以前言っていた豪華モーニングをやっているお店で、本日の目的地「プチレストランないとう」。プチレストランだけになんでもスープとかまで出るかなり充実したモーニングだと道中に教えてもらう。ところが到着したのは僕の家。プチレストランないとうなんてないと3人は言う。僕を指してプチレストランないとうだと言う。プチレストランないとうは実際あるし、うちはないとうじゃないし、さかいだし。でも切り替えて飲みこんでまずはスープのためのお湯を沸かした。 |
諏訪雅 この連載最終回。ゆるウォーキングはこの連載が始まる前からやっていたけど、時がたち、状況が変わり、この連載が終わればきっと、もうあの頃の僕らのように無邪気に早朝集合してウォーキングに行くことなんてないんだろう。健康のためとかなんとか言って来たけど、結局歩きながらコミュニケーションとって、お互いのことを確認しあう、みたいなことが自然とできるのが魅力だったんだと思う。なんてことを考えながら歩いていると、涙があふれそうになり、僕はあくびでごまかした。ふとしたタイミングでまたみんなをウォーキングに誘ってみよう。 |




| 諏訪:こっち行ったらどこ行くの?
酒井:こっち行ったら僕ん家に。 皆:(嘘で)へー! 永野:腹減ったー。 酒井:食べに行くんでしょう、今から。 永野:レストランでしょう? 今日。 諏訪:「レストランないとう」 永野:ヒレかつみたいなのある? 諏訪:いや、ないない! 本多:和食? あ、洋食か。レストランやったら。 諏訪:スープとか。 永野:ええパンと、スープやな。 本多:スープ(笑)。 永野:スープとコーヒー。 諏訪:この辺古い町やねんな。もう道が……車のこといっこも考えてない。 酒井:ここです、僕んち。 諏訪:おっ、酒井の家! ちょっとここで写真撮ろうや。はい、ポーズ(記念撮影)。 永野:着いたー。 本多:着きましたねー。 酒井:え、ちょっと。え、ついた? 本多:靴脱ぐ? 永野:レストラン。 諏訪:開いてるの? 開けて。 永野:表にメニュー出してないな。 酒井:開けますけど……ちょっとまって……マジで? 諏訪:じゃあ、失礼しまーす。うわうわ、新婚じゃないですか。 本多:へー。 酒井:こ、これ……どうなるんですか? 諏訪:これが今日の「レストランないとう」です。 酒井:マジで? 諏訪:ない、と。 永野:“ない”と。 諏訪:そんなレストラン“ない”と。 本多:(桂小枝の物まねで)そんなレストランないとぅー。 酒井:ちょっと待ってよ(笑)。 諏訪:腹へったー。 永野:スープと。 本多:ヘレかつと(笑)。 諏訪:じゃあちょっと、メニューのほうを。 酒井:これ、マジで最終回? 僕、家で待ってたらよかった……。 諏訪:あ、そこなんや。 本多:全然、受け入れたやん。 永野:受け入れている(笑)。 諏訪:コーヒーの人。 永野:はい。 本多:はい。ホット。 諏訪:ホット4。 酒井:……。 永野:無愛想なマスターやな。 諏訪:とにかく、腹ペコの客が4人いるんで。あれ、奥さんは? 永野:ママ。 諏訪:奥さんにも、手伝ってもらったほうがいいと思うわ。 本多:おかみさん。 永野:4人おるからな、客が。 (食材を探しだす、酒井) 本多:全然、受け入れるんやな。 諏訪:(笑)! 本多:絶対嫌やけどな、僕やったら。もう、だって……(笑)。 永野:食材選び(笑)。すごいな、切り替えが。 諏訪:家に入られてから食材の心配までの時間が。 永野:すっごい、劇的なこと起こってるはずなのに。 本多:ギアチェンジ、スムーズでしたよね。 永野:スムーズ。びっくりした。 本多:ごはんでもいいよ。 諏訪:いや、パンがいいな。 西垣(カメラマン):僕、ごはんでいいですか? 諏訪:何? 西垣くんごはんがいいの? 西垣:はい。 永野:何? ピネライス? 諏訪:一番ウマいライスや(笑)。 永野:世界で最もウマい。 諏訪:でも、酒井は人に食べさせることに喜びを感じるからな。 本多:レストランの人の発想ですね、それ。 永野:すっごいね、ほんと嫁にしたい。 酒井:嫁……嫁いますからね。 諏訪:これ、暖房ってずっと点けっぱなし? 酒井:あ、奥さんがさっき起きて。 諏訪:点けたんや。 酒井:で、今上にいる。 諏訪:何してるの? 今。 酒井:いや、何も……。 諏訪:怒ってる感じ? 酒井:まあ、平たく言うと。 諏訪:怒ってる。 酒井:そんなに、ウェルカムな状態ではない。 本多:あ、そう。 諏訪:奥さん、もうずっと上で怒ってる感じかなぁ? 酒井:そうですね。 諏訪:謝りに行こっか。 酒井:いや、来んといて欲しいと思います……。 本多:でも、盛り上がってたら降りてくるやろ。 酒井:そうですね。 永野:「ワハハハ」とか。 諏訪:「ハハハハ!」 永野:「ワハハハ!!」 本多:「エェ〜!?」 酒井:それに釣られて来たら純粋すぎるでしょう(笑)。 酒井:できました。 本多:すごいな、お前! 諏訪:何? 何これ。 永野:スープや! 諏訪:スープ出てきた! 本多:さすが。 永野:薬指に結婚指輪して。 諏訪:いやぁーすごい。 永野:すごい。こんなんサッと……。 本多:え、このスープ今作ったん? 酒井:はい。そんな、だから……。そんなです。 永野:このダシというか、味は何で? 酒井:コンソメキューブで。 永野:だってもう、こんだけコップがないもんウチには。 本多:あー。人を呼べる家ですね、ここは。 諏訪:いっただっきまーす。ん、すごいね!こんなパン食ったことない! 永野:僕も! 諏訪:うまっ! 永野:変わってんなぁ。おかず? 諏訪:何?リンゴのキャラメル? 酒井:砂糖を焦がして……。 諏訪:それで、作ったの? 酒井:はい。 本多:え!!これも作ったん!? 永野:すごい! 酒井:マンガに載ってて。 永野:参ったな。参りました。 諏訪:へえー! |
永野:甘すぎず、おいしい。
諏訪:うん。いい! 酒井:保存が効くから。 永野:いやぁ、絶品ですな。食べログ載せるわ、ここ。 酒井:ほんまですか(笑)。 諏訪:星、何個? 永野:星……まぁ……3.2です。 酒井:そんなに……(笑)。 諏訪:いや、高い。食べログで3.2は高い。 酒井:素人ですからね。 永野:雰囲気いいからな。 諏訪:上で嫁が怒ってるっていうところが、いいよね。逆に。 永野:逆に。他の店では出せない。ここだけやからな。 諏訪:このパンはどこのなん? 酒井:これも、ホームベーカリーもらって。 諏訪:えっ!パン焼いてんの!? 本多:えー!! 永野:え、ホームベーカリー!? ホーム!? 諏訪:焼いてるんや!うわ。 永野:げー。(ホームベーカリーを見て)ゴミ箱かと思ってた、それ。 諏訪:安いの?買うより。 酒井:うん……たぶん安い。 永野:安いの? 酒井:ほんまに材料をバーっと入れて、押しておいたら。 諏訪:米炊くんとあんまり変わらん? 酒井:米炊くよりは、うるさいですね。 永野:ああー。 酒井:混ぜて、練って、発酵させてなので。 本多:それ全部自動でやるの? へえー。 永野:熊井さん、むっちゃ興味湧くと思う。この家のポテンシャルに。 諏訪:ホームベーカリー使ってたんやー。 永野:もっとありがたく食えばよかった。 諏訪:ねぇ。 本多:幸せそうやな。 諏訪:ほんまやー。結婚するだけで、こんな感じになるんや。 永野:ケンタロウみたいになったらいいのに。 本多:ホームパーティーとかやれるやろうな。 酒井:ねぇ。奥さんも万全な状態でね。 永野:ちゃんと、いい時間に。 諏訪:嫁が怒ってるホームパーティー(笑)。 酒井:いや、ホームパーティーやったら怒んないですよ。 諏訪:ほんまに? 酒井:いや、今は化粧してへんから、っていう。 諏訪:いいじゃん。 永野:キレイやん。 諏訪:「キレイって言ってる」って言ってきて。「化粧してなくてもキレイよ」って。 酒井:それで出てきたらアホでしょう(笑)。「そうですか」つって。 諏訪:まあ、最終回ということで今日は酒井くん家に来ましたけどね。 本多:いやいやよかった。 諏訪:モーニングです。これもね。 酒井:新しい形の。 諏訪:知り合いの家行く、っていうね。 永野:いい文化ですよ。現代、みんな孤立していってますから。 諏訪:なかなか人を自分の家に呼ばない。 永野:そうそう。近所づきあいとか消えていってる昨今。 酒井:まあ、呼んではないですけど……。 永野:呼んでは、いない(笑)。 諏訪:でも、なかなか上がれないよね、人んちに。 本多:そうですね。朝10時までに上がれないですね。人んちに。 永野:どこの喫茶店よりも敷居高いと思う。 酒井:勇気を出して。 本多:やっぱ、今まで行ったどの喫茶店よりも落ち着いて。 諏訪:いい朝だったね。 酒井:よかったです。 永野:やっぱ、家庭で迎える朝っていうのが、すごくいいのかもしれない。健康的な。 諏訪:もう、喫茶店じゃなくて(笑)? 永野:喫茶店じゃなくなったかもしれない。あるステージに来ちゃったかもしんない。ゆるウォーキングの。 酒井:もはや。 永野:家でホームベーカリーなんていう発想なかったし。 酒井:たまたまですけどね(笑)。 本多:きのこも、たまたま貰いものでしょう? 諏訪:いいわ。 酒井:よかったです。あとねぇ、レタスがあったらもう。色味がちょっとね。 永野:あ、赤と黄色と、そっか。 諏訪:いや、素晴らしかったですよ。 永野:対応力。びっくりしたよね。僕らが。 諏訪:すぐ食材探したもんね。 酒井:「ずっと(家に)入れない」とか、「帰ってもらおうとする」というのもあるわけですし。 永野:そうよね、門のとこでね。僕らスーっと入っていったよね。 酒井:そうそうそう。だから、あそこでまず1回切り替えてますよね。 永野:鍵を出した時点でね。 諏訪:じゃあ、今回最終回ということで、1個1個気にいった店をあげていって終わりにする? モーニング大賞。 永野:はい。どこや? もうね、記憶に……。 諏訪:高木と、MAKIと、 本多:MAKI、よかったなぁ。 酒井:SHIFT。 諏訪:前田珈琲。 酒井:で、本多さんが連れていってくれたとこ。御池の。 永野:あ、あそこもよかったね。 本多:あとは、イノダ行ったんでしたっけ。 諏訪:うん、イノダ。で、ここ。 酒井:ここ(僕の家)も入ってるんですね(笑)。 永野:僕けっこう、本多くんに連れていってもらった御池通りの。あそこがねぇ、良かったんですよ。 本多:あー。 永野:なんかね、贅沢もしたような気がするんだよあそこで。スープ付きのなんか……。 酒井:あぁー! 本多:僕は、高木。 永野:あそこウマいもんねー。腹いっぱいになるしね! 朝から元気やしね。 諏訪:酒井は? 酒井:イノダ。 永野:あー贅沢な。 酒井:贅沢な朝を。 諏訪:僕、高木……。 一同:……(笑)。 永野:こんだけ……こんだけ酒井んちのモーニング褒めておいて、誰一人(笑)! 酒井:そらモーニングのほうが、いいでしょう。 諏訪:あれ、モーニング大賞取られへんかった(笑)。 酒井:取れるわけないでしょう。 本多:最有力候補やったのになぁ。 永野:ねぇ。「人気急上昇株が行くか!?」って思われてたけどねぇ。 酒井:店で、違う店褒めてるみたいなもんですからねぇ。 永野:じゃあ、高木が第一位。 酒井:まあ高木は行きたいですもんね。 諏訪:ということで、連載終了でございます。 永野:永らくお付き合いありがとうございました。 一同:ありがとうございましたー。 |

