[ヨーロッパスタジオ]>[〜山脇唯の稽古場体験記〜「一日少年王者舘!!」]

少年王者舘ホームページ:http://www.oujakan.jp/

#03

読み稽古のあと、ダンス再開。夕沈さんが中心になっていろいろと調整していきます。

一度トライしてみて、うまくいかなかったところはまた修正して……

山脇、もはや見つめるだけ……。(写真撮るだけ)

芝居にしろダンスにしろ、「この世界をつくること、この世界を人に見せること」に対する気概を感じて、なんだか胸が熱くなってきました。 世界をつくるということは、役者が世界のパーツになることではない、それぞれが自分の中にゆるぎない世界を築くことなのだな、と。

長丁場の稽古なのに、みなさんなごやかです。

19:40 荒立ち稽古。

登場・退場、簡単な立ち位置など確認しながら、きっかけを洗っていく稽古です。
倒れる、というト書きにそって倒れるみなさん。
ですが……
「これ、なんか吉本みたいじゃない?」
と1人が言い出して笑いが止まらない面々。
「吉本や!」
「これ合ってる?」

さすがにありえない! という判断が出て、文子さんが天街さんに電話をかけます。
基本的には全員で色々考えて稽古場決定するのですが、
どうしても答えがでないときは、その場で作家・演出家の意図を確認。

「そのト書き嘘だって」
文子さんの言葉に脱力する役者陣。それでも顔はにこにこと明るいのです。
描かれた世界を三次元に立ち起こそうとする全員のベクトルが、同じものに向かっているゆるぎなさ、この世界観は、どのようにして全員で共有できるようになったのでしょうか?。

      

ただ、自然な「MAXの自分」が、そこで一生懸命やる、というか

井村:
やっぱり劇団って、やっていく中で人も変わってきてるじゃないですか。だからそれなりに、中身も変わってきてるんだけども、それはそれなりに、構成メンバーと、演出家であり、作家の天野とか、映像のスタッフとか照明のスタッフとかそれぞれが、僕たちとの、変わったら変わった新しいメンバーとの関係でみんな少しずつ進化してきてるから、それは自然に淘汰されてきた形だと思う。だから、「ここに行こう」とか「こういう形に、はめよう」とかいうことでは、ないと思う。
夕沈:
うん。それは、ないね。
井村:
そうそう。だから、ずっと見てるお客さんにとっては、初めて観たころの女優さんとか、誰もいなかったりとか、するわけですよね。でも、それでも何かこう「少年王者舘が提供してる作品」は、ちゃんと進化してきてるから。良くなって、どんどん凄いものになってきてる、っていう感じはして・・・。それも、「そっちへ持っていこう」っていう、そういう出世欲とか向上心とか(笑)、そういうものでは、あんまりないんで。自然に表現を追求していくと、こうなってきた、っていう。
山脇:
その時にいる、メンバーでやっていくと、こういうものができた、と。
白鴎:
たとえばムリに、「王者舘っぽくしよう」とか、そういうことでは、まったくなくて。ひとりひとりがカラダを持ってきて、そこで「自分である姿」で、立ってる。だから、無理にその空間に合わせようとしたら、まったく合わないものになってしまうから。新しく(一緒に王者舘の公演を)やったことない人がみえても、「王者舘っぽく」っていう作りかたはしない。ただ、自然な「MAXの自分」が、そこで一生懸命やる、というか。

小休止中も、小道具の確認、音響さんとのきっかけ確認、など忙しい皆さん。

「まずは台詞しっかり入れながら、やっていこう」
「挑戦したい人は台本はずして、それで止まっちゃっても咎めないほうの稽古で」
と、方針を決めて稽古再開。

誰一人、ダレてない!
  あんなに踊って踊って、こんなに長丁場で、
ここにきてすごい集中力のいる稽古……
山脇、必死で見学。見学も必死。

そこにいる場のひと全員で、ちゃんとキャッチボールしないと絶対に続かない

小林:
たぶん、ひとりが「こういう風にしよう」って強引に持っていけない、つくりなんですよ。スタッフワークもそうですし。そこにいる場のひと全員で、ちゃんとキャッチボールしないと絶対に続かなくて、話がちっとも流れていかなくて。100も200もある劇団で「あー失敗したー」っていう芝居だと、誰かが自分勝手にやり散らかして、強引にひっぱっていこうとして、なんとなく形にしようとするとこもあるけど、このホン(脚本)で、こういうつくりかたをしてると、それが絶対にムリで。「相手がこれに、ちゃんと乗っかってこれるかな」って渡してやんないと「次の人と重ねる」なんか、絶対にできないんで。こういうこと、できない人って、きっといっぱいいると思うんですよ。
山脇:
はい、はい。
小林:
それを、ちゃんとやろうとしない限り、作品にならないっていうのは、すごくおもしろい現場だなと思います。
白鴎:
「ひと」を感じないと。
小林:
ぜったい、無理でしょ?
夕沈:
うん、無理。
小林:
「ここで明かりがバンっと変わるよ」って、そういうのも含めて、だし。
夕沈:
役者だけじゃなくて、映像とか照明のスタッフも一緒
小林:
対等だよね。

「(みんな)ぱつぱつです。見えないかもしれないけど(笑)」
というお顔も晴れやかな理由が、わかったような気がします。
「ひと」を感じることに気持ちを注いでいれば、殺伐とするはずがない。
「ひと」を感じながら、MAXの自分!
これは、わたし、ものずごくいい勉強をしたんじゃないでしょうか!

うおお、これはもう、早く本番が観たい!

■#04に続く

(取材 : 山脇 唯)