[ヨーロッパスタジオ]>[スーシーズ 特別対談&インタビュー]
大歳倫弘 [脚本・演出]
同志社大学入学と同時に'05年よりヨーロッパ企画に参加。本公演では文芸助手を務める他、ラジオの構成、テレビドラマの脚本などを務める。‘06年より舞台の脚本・演出を手掛けるようになり、‘09年からは「ヨーロッパ企画 イエティ」として京都での上演活動を続けている。
西岡未央 [悪い芝居]
京都小劇場界・若手の最注目株「悪い芝居」に‘06年より参加。若者の鬱屈した感情を描くダイナミックな作風の中でも、物語を支え、与えられたキャラクターを客席に伝えることのできる女優。
■ムッとしてるふり
大歳
はい、ということで「悪い芝居」の西岡さんです。
西岡
よろしくお願いします。
大歳
今回、初客演だと聞いてるんですけども。……これ僕、不安ながら聞く質問なんですけど、正直どうですか?
西岡
いや、初めてのことづくしで楽しいです。稽古が。
大歳
あっ、ほんとですか? あー、よかったです。心の底で「あいつちょっとダメなんじゃないか」とか思われてるんじゃないか、ってずっと怯えてる感じなんで。
西岡
まあ……思うことは色々ありますけどね……。
大歳
!!
西岡
いやいや、ないですよ~(笑)。
大歳
そこは気にせずですよ。気にせずぜんぜん、言ってください。言ってもらったほうが。
西岡
同い年ですもんね。
大歳
そうですね、同い年ですし。そのへんは何でも言ってもらって。基本的にみんなにワーワー言われてなんぼなんで。
西岡
言われてますよね(笑)。で、言われてムッとしてますよね?
大歳
ムッとしてますね。
西岡
(笑)。それ見て「ああー素直だなー大歳さん」と思って。
大歳
あのー、ちょっと若干「ムッとしてるふり」っていうのは、あるんですよ。
西岡
あっ「演じている」と?
大歳
今日特に、とある場面では結構ウソついてムッとしてましたよ。
西岡
あっ、あの「ムッ」はお芝居なんだ。なんか「露骨に出すなぁ」と思った瞬間はあったんですよ。
大歳
お芝居でもないんですけど。ぜんぜんムッとはしてなかったんですけど「あかん、ここはムッとした表情出しとかな、これイカンぞ」と思って。
西岡
あ「負けないぞ」という。
大歳
「ここは戦いやぞ」っていうのでムッとしたんです。正直どっちでもよかったんですけど。
西岡
そうですね(笑)。最終的になんか、まるく納まってますもんね。
大歳
それと、たまに「ムッとしたら威厳が出るかな」とか……。
西岡
効果を実感したことは?
大歳
効果、ないですね。
■僕って演出してます?
大歳
実は小屋入りしてみないと分からないことが多いので、遅々としてやってますけど。やってて、不安じゃないですか?
西岡
不安じゃないですねぇ。
大歳
あっ、ほんとですか。
西岡
私が一番後輩だからっていうのもあるのかも知れないですけど、きっとみんな何とかできる人達だから。私もそれに置いていかれないようについて行ければ。
大歳
それがなかなか、できない可能性も……。
西岡
えっ、ちょっと待って下さいよ(笑)。
大歳
できないこともある、と考えてもらって。それくらい危機感持って挑んでください。
西岡
はい(笑)。じゃあ『スーシーズ』が終わったら、ちゃんと友達になりましょう。
大歳
ああ、今は“演者と演出”みたいな関係で。僕って演出してます? 演出やってるみたいに見えてます?
西岡
見えてます見えてます。大丈夫です(笑)。演出、してますよ。
大歳
ああ、よかった。
西岡
でもこれ、初客演の人が言う言葉だから、あんまり信憑性がないっすよ。
大歳
そうですよね。わぁ、じゃあ首藤さんに聞いてみよう、ちょっと。
西岡
首藤さんに聞いて……首藤先輩だったら色んなとこ行ってるからきっともう、どんどん。
大歳
けど昨日、稽古の後ばったりお会いして。コソっと「今回僕、できてる?」って聞いてこられて。
西岡
ああ、不安になって。「大丈夫?」っていうのは聞いていいんですか? 大歳さんに。
大歳
聞いてください。なんでも聞いてください。
西岡
あ、聞きます聞きます。
大歳
逆に聞きますけどね。「逆に、今の俺大丈夫?」って。
西岡
(笑)。たがいに不安って、アレですよね。
大歳
不安ですよねー! 早く吹きとばしたいですよね。
■ちょっと、離れてるんです
西岡
これちょっと、インタビューとは関係ないかもしれないんですけど……。
大歳
聞いてください。
西岡
単純に「ダメ出しを聞きたい」っていうだけなんですけど。
大歳
僕からですか?
西岡
はい。私の「悪い芝居」っていう団体は、けっこう今の人達があまり観たことのない「ツラ向かって叫ぶ」みたいな感じの演劇ばっかりやってるんですけど。
大歳
はあ、はあ。
西岡
ちょっと年上の人とかには「懐かしいね」って言われるような、古くさい演技体というか。そういう演出を、けっこうワザとやってるよなとこがあるんですよ。
大歳
はい。
西岡
で、「ヨーロッパ企画」内のユニット「イエティ」っていうのは……なんていうんでしょう「ドッキリ・ハプニング・戸惑い」みたいな、なんかそういうのが演技体の軸になってるような感じが、私は外から見て感じてて。今までにそういう芝居をしたことがなかったので、そういうのをちょっとやってみたいなと思ったので色々試してはいるんですけど……浮いてないですか? 大丈夫ですか?
大歳
あんまり……あの、1つそれについて僕もあるんですけど。
西岡
はい。
大歳
あんまり、それを盛り込めてないですよね。
西岡
(笑)。お話の中にですか?
大歳
はい。ちょっと、離れてるんです。
西岡
そうですね、普段のとは、なんか……。
大歳
今回、特になんですけど、普段やってるようなのとは。
西岡
ちょっと劇的なシーンとかも、ありましたね。
大歳
はい。だからたぶん、やったことないのをやって一番戸惑ってるのは、ヨーロッパのほうなんじゃないかな、という気もしてます。
■気狂い達の群像劇、みたいな(笑)
西岡
はあー。たまに出てくる、突拍子もない劇的な瞬間。
大歳
はい。
西岡
あのシーンとか、いつもやりなれてるもんだから、たまにズレちゃうんですよ。「あれ私今、すっごいぶっ飛んだなー!」みたいなのが、たまにあって。
大歳
(笑)。
西岡
そういうギャップを今、埋めていく作業をしなきゃな、って思ってるんです。
大歳
いや、それは言葉にならないように言いますけど、僕のコレが足りないんですよ。
西岡
もう、コレって言ってる時点で分かるじゃないですか。
大歳
そこを役者さんのみなさんと一緒にカバーしていこうという。
西岡
ねぇ。ちょっとねぇ。面白いものが作れたらいいなぁ。
大歳
面白いといいですね。
西岡
うん、面白いですよ。私好きですよ、今回の話。
大歳
あっ、ほんとですか? 気ぃ狂ってるんじゃないかっていう。
西岡
気狂い達の群像劇、みたいな(笑)。
大歳
(笑)。気狂いが日常をやろうとしてる、って感じですよね。
西岡
そうですよね。ほんと気狂いばっかりですよね。よくよく考えると。
大歳
だめだめ。
西岡
あっ、ダメだダメだ。
大歳
お客さんが減るので、このへんにしておきましょうか。
西岡
はい(笑)。
大歳
本日はありがとうござました。このあと稽古で。
西岡
はい「悪い芝居」の稽古です。ありがとうございました。
大歳
がんばってください。ではでは。